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2019年1月9日

京風と江戸風が融合した加賀料理の歴史―加賀料理 けんろく

加賀料理 けんろく

加賀料理の歴史

 日本海に突き出た能登半島を有する石川県。
2015年には北陸新幹線長野―金沢間が開通し、東京から約3時間で金沢を訪れられるようになりました。
 現在の石川県の辺りは、奈良・平安時代には大陸国家と交流があり、戦国時代には京都・大阪、また江戸時代に入ると関東地方の影響を受けたことから、現代の趣深い加賀料理が形成されたと言われています。現在もお正月のお雑煮にその歴史は顕著に表れており、土着の家では京風の丸餅を、武士を祖先とする家では関東風の角餅を食べるそうです。さらに、江戸時代から明治時代にかけて、大阪と北海道間を結ぶ商船として活躍した北前船が、加賀・能登地方の各港に寄港したことから、石川県は食文化の玄関口として栄えてきました。

 

加賀料理「けんろく」

 長い時間をかけて大陸、京、江戸の文化が融合した加賀料理をシンガポールで唯一愉しめるのが、2018年9月にオープンした「けんろく」です。

 

 

 「一年を通じて同じ気候が続くシンガポールに生活の基盤を置きながらも、日本独特の素晴らしい四季を体感して欲しい。日本人の記憶は本来、季節と紐づけられています」と語るのは、日本料理人として10年以上腕をふるってきた藤田シェフ。同店では週2、3回の頻度で食材を空輸し、加賀れんこんや金時草など石川県特産の旬の味覚を調達しています。お食事は加賀膳(S$88++)、けんろくコース(S$180++現在プロモーション中につきS$150++)またはアラカルトメニューから選べます。加賀膳は先付け、焼き八寸、食事、デザートからなり、1月の先付けは、かぶ菱剥きたまみそクリームソース。美しく菱型にかたどられたカブに白味噌ベースのとろりとしたクリームソースを絡めながらいただきます。純和食ながらソースなどに西洋料理のテイストを取り入れるのが藤田シェフの得意とするところ。和と洋のバランスが絶妙な一品です。焼き八寸には加賀料理を代表する治部煮も並びます。

 

 

あん肝琥珀姜は、あん肝のねっとり感とゼリーのさっぱり感が舌に心地よい口当たり。
けんろくコースは、前菜、お椀、刺身、焼き物、煮物、酢の物、食事、デザートの8コース。刺身は日本海特産が並び、冬季には白海老も登場します。金時草の酢の物は、シャキシャキとした食感で人気の一品。また今月は鯛のけんちん焼きもメニューに登場します。これは加賀料理の一種で、おからと季節の野菜を出汁で調理したものを鯛で挟んだ焼き魚で、手の込んだ料理ばかりが御膳に並びます。加賀料理は、料理と器全体を俯瞰し、その調和の美しさを愛でながら料理を愉しめるのが特徴。同店でも九谷焼を用いており、加賀膳ならではの色目の美しさを堪能することができます。

 

 

春夏秋冬、月ごとに旬の食材を使ったメニューが登場するので、シーズンに一度は優美な時間を過ごしに是非訪れてみませんか。

 

接待のポイント

 

 

 個室は6人まで収容可能。店の入り口をくぐると左手がカウンター席、右手が個室と完全に分かれているので、静かにプライベートにじっくりと接待したい場合は個室がお勧めです。室内はテーブル席で落ち着いた雰囲気。カウンター席に座れば、シェフによる料理の説明を聞きながら、会話と食事が弾みます。外国のお客様を本格的な日本食で“おもてなし”するのに是非活用して欲しい銘店です。

 

京懐石、加賀懐石と日本でも腕をふるってきた藤田シェフ。気さくな人柄で食事を愉しませてくれます

 

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