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現役大学生の『シンガポール再発見』

2020年11月27日

新型コロナウイルス第2波に備えた、シンガポールの規制と現状

 シンガポール在住歴14年の大学生「Kalinさん」がお届けする、日本人が知らないシンガポールのあれこれ。今回は新型コロナウイルス禍でのシンガポールの規制や、シンガポール国民のリアルな現状についてご紹介。(※11月上旬現在の情報です)
 

 
 11月上旬現在、シンガポールでは11日間連続で市内感染者0人の状況が続いています(感染者は入国者のみ)。クラブやウォーターパークなどのエンタメ施設は未だ再開しておらず、集会も5人までとの制約がありますが、葬式や結婚式、仕事でのイベントに関する規制は段々と緩和されてきています。
 

規制下での映画館

 10月時点では映画館の収容人数が、300席中50席まででしたが、今後150席に増えるそうです。そんな規制の中、9月に映画館に行ったKalinさん。人が少ない分、雑音も減るので映画には集中しやすい反面、「スクリーンと自分の座席が、果てしなく遠い!」。映画館の前方座席は全てブロックされており、観客は後ろの方で、他の人とスペースを空けて座ります。Kalinさんいわく、「今の映画館はチェスみたい」。
 
 また”Safe Distancing Ambassador”のスタッフが人々をチェックしていて、ソーシャルディスタンスを守っていなかったり、マスクを鼻までかけていない場合には注意されるようです(肩をトントンとたたかれる・・・)。「常に監視されている気持ち」もあるのがシンガポールの現状だそう。
 

政府によるマスク配布

 9月末から、マスクの4回目の配布が始まりました。1回につき2枚のマスクが配られるので、これまでで合計8枚のマスクが支給されたことになります。11月30日から、5回目のマスク配布が始まるそうです。
 

シンガポールと日本の渡航制限

 11月4日以降、日本からシンガポールに入国する際は、渡航後14日間の隔離期間をホテルではなく自宅でも過ごせるようになった・・・のも束の間、11月22日より再度、「日本とマレーシアから入国する全ての人に対し、入国後14日間は政府が指定する施設での隔離」が義務付けられてしまいました。また、当初11月22日より開始される予定だったシンガポールと香港の”トラベルバブル”(隔離措置なしでの相互渡航)も、12月以降に延期となりました。日本の第3波、香港の第4波を受けて、シンガポールは即時に規制措置を発令しています。
 
 ちなみに自宅での隔離は、『一人暮らし』または『家族全員で渡航している』場合に限られます。単身で海外からシンガポールに帰国した場合は、家族のいる自宅ではなく、ホテルでの隔離が義務付けられます。自宅での隔離期間中は、MOMから一日に何度かランダムに電話がかかってくるので、ビデオカメラをオンにして家の周りを映すなど、自宅にいることを証明する必要があります。また、スタッフが自宅をノックして応答を確認する事もあるそうです。
 
 11月上旬現在、シンガポールにて隔離不要な国の対象は、ブルネイ、ニュージーランド、ベトナム、オーストラリアです。
 

携帯型・接触追跡トークン

 9月頃より、接触追跡アプリ”Trace Together”と同機能を持つ、携帯型トークンの配布が開始されました。これまでシンガポールでは、建物に入る際、スマホで入り口のQRコードをスキャンして追跡用データの提供をする仕組みでしたが、今回の携帯型トークンにより、Bluetoothのみでデータを記録することが可能になりました。大きさとしては「たまごっちくらい」の小型で、色も複数種類があるようです。現在、高齢者を優先に配布が進んでいます。
 

生活面で感じる変化

 少しずつではありますが、制限の緩和が始まったシンガポール。Kalinさんが感じている変化は、「以前より人混みが増えた」「店で服の試着ができるようになった」などなど。ナイトクラブや空港といった業界は依然苦しい状況ですが、一国民としては、だいぶ従来の暮らしに戻ってきている実感があるそうです。街中ではソーシャルディスタンスがとれるよう、店の入り口にはサインや目印になるシールなどが貼られています。ソーシャルディスタンスや人数制限を遵守しなかった店に関しては、店先にイエローカードが貼られ、インターネットに写真を掲載されるという厳しい措置が待っています(客の顔写真も含めて晒される)。
 
 
 より詳しい実体験に関しては、ぜひ動画を最後までご覧ください。
 ※シンガポールの状況(2020年11月11日付)に関しては、こちらの記事もご参照ください。
 

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