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会計・税務相談

2023年1月16日

Q.シンガポールの不動産税について

Q. 不動産税とは、どのような税金ですか。

 A. 不動産税は、シンガポール国内にある不動産の所有者に課せられる税金です。日本の固定資産税に相当する税金ですが、日本の固定資産税は、土地・家屋・償却資産のそれぞれに分けて計算されるのに対し、シンガポールの不動産税は、土地と家屋を分離せずに計算されます。
 

Q. 不動産税は、いつ課税されますか。

 A. 不動産税は、1月から12月の1年間について、通常は前年の12月に税額通知書が発行され、課税対象年度の1月31日までに納付することとされています。
 

Q. 不動産税は、どのようにして計算されますか。

 A. 不動産税は、内国歳入庁(IRAS)が不動産の価値として査定する「年次価額(Annual Value)」に税率を掛けて計算されます。
 年次価額は、当該不動産を賃貸した場合に得られると見込まれる12ヵ月分の賃料(家具・共益費分を除く)とほぼ同額とされています。近隣の類似する複数の物件の賃料などに基づいて調整が為されるため、個別不動産の実質賃料12ヵ月分と一致する訳ではありません。
 土地(空地および開発中の土地)の場合、年次価額は、当該土地の概算市場価額の5%とされています。
 

Q. 不動産税の税率は何%ですか。

 A. 不動産税の税率は、居住用不動産か非居住用不動産(商業用建物・工業用建物・土地など)かによって異なります。
 居住用不動産の場合は、更に所有者自らが居住する場合とそうでない場合によって異なりますが、どちらも2023年1月1日および2024年1月1日の2度にわたり税率が引き上げられます。
 
【所有者居住不動産の税率】

 
【所有者非居住不動産の税率】

 
 尚、所有者自らが居住する居住用不動産に関しては、2023年の不動産税について税額控除が適用されます。税額控除の金額は不動産税の60%で、60Sドルが上限とされています。
 
 非居住用不動産の不動産税の税率は、一律に年次価額の10%とされており、2023年1月1日以後も税率の変更はありません。尚、非居住用不動産については、所有者自らが当該不動産を使用していても税率は同じです。
 

Q. IRASが査定した年次価額について納得がいかない場合は、どうしたらよいでしょうか。

 A. 年次価額の金額または適用日について不服がある場合は、異議申し立てを行うことができます。異議申し立ては、適正と考える年次価額、適用日、不服の理由などについて証拠となる資料を添えて提出します。
 

著:Tricor Singapore Pte Ltd 斯波澄子

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