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法律相談

2021年10月8日

Q.シンガポールにおける商標 ~新しい種類の商標(3D、色、音)について~

Q. 弊社では、日本で販売している商品を、新たにシンガポールでも販売しようと考えています。商標の登録をしたほうが良いと聞きましたが、シンガポールで商標の出願をすべきか迷っています。商標登録をする場合のメリット、商標登録をしない場合のデメリットについて教えてください。
 

商標とは

 商品には、他社商品と区別するために、自社商品であることを示す目印となるマークをつけることが一般的です。また、消費者は、このようなマークを目印として、商品やサービスを選ぶことがあります。企業が、自社の商品やサービスを他社の商品等と区別するために使用するこのような目印となるマークのことを、商標といいます。
 
 そして、そのマークについて商標登録をすると、商標権が発生します。商標登録の際には、使用する目印となる「マーク」と「商品、サービス(役務)」を指定する必要があります。商標登録が認められると、あらかじめ指定した「商品、サービス(役務)」について、その登録されたマークを独占的に使用することができるようになります。この独占的な使用権のことを商標権といいます。
 
 一度登録された商標権の存続期間は出願日から10年であり、その後も使用を継続する場合には更新が必要です。
 

商標登録をする場合のメリット

 商標登録をすると、原則として、その登録した商標を自社の商標として独占的に使い続けることができるようになります。そして、自社の登録した商標またはそれと類似する商標を他社が無断で使用する場合、その使用を阻止することができ、無断使用により自社に損害が生じた場合には損害額を請求することができるなどのメリットがあります。さらに、他社に対して、商標権を譲渡したり、ライセンスを付与することにより、売却益や使用料を得ることもできるようになります。
 

商標登録をしない場合のデメリット

 他方、商標登録をしない場合、仮に、自社が使用する商標またはそれと類似する商標を他社が無断で使用する場合であっても、他社の使用を阻止することが難しくなります。
 
 また、自社が使用する商標につき、他社が先に商標登録をした場合には、逆に、他社からその商標の使用の中止を求められ、その場合には、他社から損害額を請求される可能性もあるなどのデメリットがあります。このような場合には、自社の商標の使用の継続が難しくなることが考えられます。
 
 このように、自社の商標を登録することにより会社の利益が守られる一方、商標を登録しない場合には会社に損害が生じる可能性があります。そのため、商標の登録をすることが推奨されます。
 


 
Q. 最近、シンガポールでは、新しい種類の商標登録が認められるようになったと聞きました。シンガポールにおいて、登録可能な商標の種類を教えて下さい。
 

従来から認められている商標の種類

 シンガポールにおいて、従来から認められている商標として、主に以下の3種類があります。
 
 (1) 文字だけで構成される商標(例① 登録No. T9915742D、ROYCE’ CONFECT CO., LTD.)
 (2) 図形を含む商標(例② 登録No. T9505885E、 YAMATO HOLDINGS CO., LTD.)
 (3) 文字および図形の両方を含む商標(例③ 登録No. T9915583I、ZOJIRUSHI CORPORATION)
 

 

新しい種類の商標

 加えて、シンガポールにおいても新しい商標として、以下の種類の商標も登録が増えてきています。
 
 (4) 3D(三次元の形状)の商標(例④ 登録No. T9910737J、THE COCA-COLA COMPANY)、
 (5) 色の商標(例⑤ 登録No. T9906795F、7-ELEVEN, INC.)
 (6) 音の商標(例⑥ 登録No. T0624648J、Tetris Holding, LLC)
 

 
 さらに、動きがある商標、ホログラムの商標等の特殊な商標も写実的に表現できる限り、登録することができるようになりました。
 


 
Q. 弊社では、既に日本で同じ商品について商標登録をしているので、シンガポールで商標登録をしなくてもいい、と聞いたことがあります。
 
 商標権は、世界的に「属地主義」という制度が採用されています。つまり、シンガポールで商標を保護するためには、シンガポールで権利を取得する必要があります。そのため、自社の商標をシンガポールで保護するためには、シンガポールにおいても商標登録が必要となります。
 
 日本で商標登録をすれば、シンガポールで同一の商標を登録しなくても、その商標が守られると誤解されている方もいるので、注意が必要です。
 

日本法弁護士・シンガポール外国法弁護士 山本裕子
日本法弁理士・シンガポール外国法弁理士 田嶋麻美

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