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ビジネス特集

2021年1月1日

【2021年】新年の挨拶

シンガポール日本大使館(EOJ)


 
駐シンガポール日本国特命全権大使
山崎 純

 新年あけましておめでとうございます。
 
 昨年は新型コロナウイルスの感染拡大を防止するための諸措置により、皆様にも多大な影響があったことと存じます。現在では、シンガポール国内の感染症例は落ち着いた状況となっていますが、引き続き注意が求められています。このような中で我が国は、ポスト・コロナも見据えた取組を進めつつ、我が国国民の安全を守る「力強さ」があり、また、国際社会との連携・協力を一層進める「包容力」のある外交を推進することを目指しております。
 
 日本・シンガポール両国間においては、昨年8月に茂木外務大臣が、世界的な感染拡大の後、アジアで初の訪問国としてシンガポールを訪問し、ビビアン・バラクリシュナン外務大臣と会談を行いました。会談では、両国間で入国後14日間についても行動範囲を限定した形でビジネス活動が可能になる「ビジネストラック」と、駐在員等を念頭に置いた「レジデンストラック」に合意し、9月より運用を開始しました。また10月には、菅総理大臣が、リー・シェンロン首相と電話会談を行い、両首脳は、デジタル経済、人の往来、国際貿易等の分野での連携を行い、地域における諸課題も含めて、一層協力を行う旨を表明しました。
 
 シンガポールは地理的に東南アジアの中心に位置し、我が国企業の主要海外拠点としての役割を果たしています。昨年11月には、シンガポールを含むASEAN10か国、豪州、中国、韓国、ニュージーランド及び我が国の15か国間で、「地域的な包括的経済連携協定」(RCEP)が署名されました。我が国は「自由で開かれたインド太平洋」の実現のためにシンガポールとの連携を重要視しています。シンガポールには3万6000人を越える在留邦人の皆様が活躍されていますが、大使館として当地に拠点を置く日本企業の活動を力強く支援してまいります。
 
 シンガポールは情報発信の拠点でもあります。引き続き大使館の広報文化施設であるジャパンクリエイティブセンターが多様なイベントを開催していく予定であり、是非ご期待頂ければと思います。また本年は、延期されていた東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。昨年11月には、トーマス・バッハIOC会長が菅総理を表敬し、東京大会を必ず実現し、成功させる旨述べました。人類がウイルスに打ち勝った証として、そして東日本大震災からの復興を世界に発信するものとして、令和の時代にふさわしい大会となることを期待しています。
 
 最後になりましたが、皆様のご健康と益々のご発展を祈念致します。
 

シンガポール日本人会(JAS)


 
シンガポール日本人会会長
田中 琢哉

 新年明けましておめでとうございます。AsiaX読者の皆様にシンガポール日本人会を代表して、新年の御挨拶を申し上げます。
 
 昨年シンガポールでは、旧正月直前の1月23日に初めて新型コロナウィルスの感染者が確認され、感染者数の増加に伴い4月7日から部分的なロックダウンであるサーキット・ブレーカーに入りました。約2ヵ月間に及ぶ自粛期間では人の移動が制限され、大人はテレワーク、子供たちはオンライン授業と、かつて経験したことのない日常に様変わりしました。
 
 シンガポール政府による新型コロナウィルスの対応は、政府の徹底した指揮の下、専門家による隔離や治療が行われ、同時進行でデジタル先進国の強みを生かし、SNSを通じて草の根レベルで「SGユナイテッド」を展開し、市民ひとりひとりが生活習慣を変えることでコロナの危機を乗り越えようという、ポジティブなメッセージを発信し続けています。
 
 中国系、マレー系、インド系等多民族の人口構成に加え、人口の4割近くを占める様々な人材を海外から受け入れて経済成長を遂げたシンガポールは、コロナ禍で大きく変わりました。しかし、今までの日常に時計の針を戻そうとするのではなく、「新しい日常」に対応する姿を構想し、多様性をもつ市民に課された使命として一人一人が変化を主体的に取り込む姿勢は、1965年の独立以来、様々な危機を乗り越えて、世界有数の先進都市を築いてきた市民の自信の表れでもあり、不変です。当地で暮らす私達にとっても、こうしたシンガポール人のポジティブな思考・行動から学べることもあると思います。 
 
 シンガポール日本人会におきましても、昨年はコロナの影響を受け、日本語スピーチコンテスト、夏まつり、大運動会、オープンハウスと言った恒例の行事を始め、各種競技大会や文化教室、更には会員同士の趣味の集まりである同好会の活動も中止となり、新たにオンラインクラス、オンラインイベントを開催しています。これからも、セーフディスタンス等により安全を確保しながら、「新しい日常」の姿を模索しつつ、更なる発展を目指したいと思います。
 
 シンガポールでは6万人近くが感染し社会的・経済的に大きな打撃を受けましたが、昨年後半から新規感染者が減り、状況は落ち着いてきました。香港とのトラベルバブルも枠組みが決まり、今後も順次、コロナ感染状況を見極めつつ国を跨ぐ移動も緩和されることと思います。シンガポール日本人会も、シンガポール・コミュニティの一員として決して気を緩めることなく、今後、フェーズ3、更にそれ以降の状況も見据えて、互いに支え合い、共により強くなっていきたいと思います。
 
 最後になりますが、本年がAsiaX読者の皆様にとりまして、実り多き年となりますことを祈念致しまして、新年のご挨拶とさせていただきます。
 

シンガポール日本商工会議所(JCCI)


 
シンガポール日本商工会議所 会頭
石垣 吉彦

 謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
 
 2020年は忘れられない一年となりました。新型コロナウイルス感染症の影響は、昨年1月下旬頃から徐々に出始めましたが、4月7日から6月1日にかけて約2ヵ月間実施されたCircuit Breaker(CB)では、多くの方々が在宅勤務を余儀なくされたかと思います。CB後には、今後の道筋としてPhase OneからThreeまでが設定され、目まぐるしく変わる状況の中で、”SHN”や”ビジネス・トラック/Reciprocal Green Lane”、”Trace Together”など、初めて聞く単語が飛び交い、先行きが見通せず不安な日々を過ごされた方も多かったのではないでしょうか。
 
 感染状況の落ち着きと共に、Withコロナの環境が根付き始め、テレワーク、オンライン会議、Safe Entryの登録、と新たな日常が始まりました。マスクについても当初は暑いこの国での着用に若干抵抗があったものの、今では違和感なく着用できるようになりました。本年になるのか、もしくは来年となるのか分かりませんが、マスクの着用が義務ではなくなった日には、一体、どんな表情で街へ繰り出すことになるのか、なかなか想像がつきません。
 
 シンガポール日本商工会議所(JCCI)にとりましても、皆様方のご支援を頂きながら、様々な変革が求められた一年でした。各種会合・セミナーはオンライン化した一方で、多くの企業様が希望されるリアルでの交流活動などが行えず、皆様方には大変、残念な想いをさせてしまいました。この場を借りてお詫び申し上げますと共に、本年こそは少しでも再開できるような状況となりますことを願ってやみません。できない事業が多くある一方で、コロナ禍における規制や日系企業の動向に関するご相談・問い合わせは大幅に増え、またビジネスマッチング事業には大きな反響を頂きました。不透明さが続く環境下で、少しでも企業の皆様のお役に立てるよう、試行錯誤しながら本年も取り組みを進めてまいる所存です。
 
 後ろ向きなニュースが多い一年ではありましたが、昨年は、井上尚弥選手とマロニー選手のボクシングの試合に、年甲斐もなく興奮させられました。また闘病生活を送っていた池江璃花子選手の東京都特別水泳大会への出場には、心動かされるものがありました。スポーツが人々に与える力は、無限大です。十分な感染対策を施しながら、今年こそ無事に東京オリンピック・パラリンピックが開催され、アスリートたちが私たちに新たな感動を与えてくれることを期待しています。
 
 2021年がAsiaX読者の皆様にとって、実り多き年となりますことを祈念致しまして、新年のご挨拶とさせて頂きます。

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