2020年2月18日
シンガポールにおけるEP申請審査の基本
EP申請では、①仕事内容、②被雇用者(応募者個人)、そして③雇用者(会社)がMOMによって審査されます。端的に言うと「このEP発給はシンガポールにとってプラス」とMOMに判断される=EP承認へとつながるのです。この審査の基本となる3つの論点を整理していきます。
EP申請で審査される3つの要素
仕事内容
EPは、“経営幹部、経営管理に関する仕事、専門性の高い仕事”に従事する場合のみ発給の可能性があります。逆に「一般的な仕事は外国人ではなくローカル人材を雇うように!」とのスタンスが明確です。また、政府として力を入れている金融やIT、医療技術関連の専門職などは人材を確保したい政府の考えから、EPが比較的発給されやすい状況です。
被雇用者
“(ローカル人材にはなかなかいない)高度なスキルを持った人材”かどうかを、申請給与や学歴、資格、職歴などを通じて審査されます。
例えば、「給与が高い→高給を払う価値がある→高度なスキルを持つ人材」と見られやすくなります。そのため、他要素で不利な場合、給与を高めに申請することが有効です。
ただし、申請給与は「雇用期間の最低給与コミット」になるので、実際の支払いが必須です。つまり、払える給与かつEP承認に十分な給与を検討し設定することになります。また、他に直近の2つの職歴と当時の給与を申請時に提出するため、過去の職歴でも専門性が見られます。
雇用者(会社)
雇う会社がMOMからどう見られているかも重要です。まず会社として財務体力がないと、シンガポールへの貢献による考慮以前に外国人雇用が認められません。財務体力があり、かつ利益を上げ税金を納めている、ローカル雇用を産んでいる、といったシンガポールに貢献している会社はEP承認されやすいと言えます。
まとめ
EPの基本を一言で言うと、以下3点でMOMに認められることです。
●専門性の高い仕事である
●高度なスキルを持った特別な人材である
●外国人雇用を認めるに足る会社である
EP承認をスムーズに得るには、こうした基本の論点を理解した上で申請やその後に続くMOMとのやり取りを進めていくことが欠かせません。次回はこの論点を踏まえて、EP申請プロセスとそのTipsをお伝えしてまいります。
高橋正名
Singa Company Services Pte Ltd Managing Director
日本にてコーポレート・ファイナンス、組織開発コンサルティングに従事した後、シンガポールに移住、「シンガ・カンパニー・サービス」を創業。
会計、税務、会社関連登記、ビザ申請、財務コンサルティングを専門として、クライアントの会社経営を全面サポートすべく日々奮闘中。
Website: singacompanyservices.com
Email: toiawase@singacompanyservices.com