シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXビジネスTOP第1回 日系企業の頭痛の種?「EPいまむかし」

シンガ会社経営 サプリメント

2020年1月13日

第1回 日系企業の頭痛の種?「EPいまむかし」

 今回より「シンガ会社経営サプリメント」の連載を担当する高橋正名です。
 シンガポールで会計・セクレタリー事務所を経営する中、よく質問を受ける「知っているようで知らない」疑問にお答えすべく、シンガポールの会社経営に関する知識・情報を発信していきます。

「EPいまむかし」

 初回のテーマは「EPいまむかし」です。日系企業にとって頭が痛いのがこのEP事情。申請をしても中々OKが出ず、やきもきしている経営者の方も多いのではないでしょうか。外国人へのEP発行のここ最近の傾向は、皆さんご存じのように「極めて厳しい」状況です。これまではスムーズに出ていたケースでも今は簡単に発行されず、長いときには何ヵ月もMOMとのやり取りが続くこともあります。
 
 なぜEPの発行が厳しくなってきているのか?それは歴史的背景を紐解くことで見えてきます。政府の方針・EP発行のスタンスが大きく変わったのは「2011年の総選挙」だと考えられています。シンガポール政府与党のPAP(People’s Action Party)は、得票率を独立後最低水準に落とし、初めて野党にグループ選挙区で議席を奪われました。グループ選挙区(五議席をまとめて取り合う重要区)で敗れるという衝撃的な結果を受け、政府は「外国人が雇用を奪っている」と言った世論により敏感になりました。具体的には、この選挙後に4回に渡ってEPホルダーの最低給与が上昇し、2016年には複数会社取締役就任の原則禁止を明確化するなど、EPホルダーに対するスタンスが硬化しています。EPやPR申請における審査厳格化の分岐点となった選挙でした。
 
 そして「2020年には総選挙があるのではないか?」との予測もあり、シンガポール政府のEP発行への抑制スタンスは今後も変わらない、と見ています。こうした状況を踏まえ、次回はEP申請のプロセスと発行をスムーズに進めるための留意点についてお伝えしてまいります。
 

高橋正名
Singa Company Services Pte Ltd Managing Director
 
日本にてコーポレート・ファイナンス、組織開発コンサルティングに従事した後、シンガポールに移住、「シンガ・カンパニー・サービス」を創業。
会計、税務、会社関連登記、ビザ申請、財務コンサルティングを専門として、クライアントの会社経営を全面サポートすべく日々奮闘中。
 
 

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