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シンガ会社経営 サプリメント

2020年3月13日

シンガポールにおけるEP申請の流れとコツ

 前回の記事では、仕事内容、応募者個人、そして雇用する会社がMOM(人材開発省)により審査されるとお伝えしました。今回は「EP申請の流れと承認される率を上げるためのコツ」を解説します。
 

EP申請の流れ

1.必要情報を提出

 申請者の基本情報、雇用ポジションやサラリー、卒業証明、パスポートなどMOM指定の情報を提出します。申請後、標準審査期間の3週間はMOMに交渉やアピール(申請者側からの資料提出)はできません。会社規模や申請者のシンガポール滞在歴により、即承認もあり得ます。しかし、最近の新規申請では追加情報を求められるケースが多くなっています。

2.MOMからの追加情報依頼

 追加情報が求められる典型となるパターンは、「知名度が低い・規模が小さい・外国人雇用が多い」などが当てはまる会社や外国人雇用の必然性が見えにくい場合です。事業内容や事業実態の証明、何故ローカルでなく外国人なのかの説明、申請者の職務内容など、詳細情報提出や質問への回答を求められます。

3.追加情報の提出

 ここがキーです。MOMが依頼してきている背景や意図を読み取って、MOMが承認し易くなるような回答資料を組み立て、提出します。

4.結果(承認 or 却下)

 追加書類の審査結果を得るまでに、提出後3週間かかります。更に追加質問が来ることもあり、申請~結果まで通常1ヵ月半、長いと数ヵ月かかります。また、却下されても3ヵ月間はアピールが可能です。
 

EP承認率アップのためのコツ

 EP申請で、申請者側から働きかけられる機会は、追加情報提出のタイミングだけです。形だけ整えて書類を出すのではなく、資料依頼や質問内容を分析し、MOMの思考回路を想像して回答資料を作ることが承認に近づくコツです。MOMでの審査内容は公になっている情報が少なく、申請側の“腕前“で大きな違いが出ます。
 
 例えば、主要顧客との契約書と会社の財務データを求められた場合、提供サービス内容や会社の継続性が疑われている可能性があります。この追加質問には、情報そのものの提出に加え、申請者の腕前を発揮して、「シンガポールにメリットがあり、財務的にも持続可能なビジネスをしている」と回答資料全体で一貫した主張を構成し、MOMが承認しやすい状況に持ち込みたいところです。
 


高橋正名
Singa Company Services Pte Ltd Managing Director
日本にてコーポレート・ファイナンス、組織開発コンサルティングに従事した後、シンガポールに移住、「シンガ・カンパニー・サービス」を創業。
会計、税務、会社関連登記、ビザ申請、財務コンサルティングを専門として、クライアントの会社経営を全面サポートすべく日々奮闘中。
Website: singacompanyservices.com
Email: toiawase@singacompanyservices.com

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