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シンガ会社経営 サプリメント

2020年4月2日

シンガポールでペナルティになってしまう会社運営のミス

 3回に渡ったEPシリーズから、今回から会社経営全般にトピックを移します。シンガポールはペナルティの厳しさでもよく知られていますね。そこで、遅れや漏れでペナルティになってしまう、会社運営のよくあるミス(税金、登記、雇用)と守るべき期限をご紹介します。
 

税金申告遅れ、支払遅れ

 最もよくあるペナルティ事案です。税金の種別により申告タイミングや締切、支払い方法が異なり複雑なため、申告の遅れ、支払いのミスや遅れによるペナルティが起き易いです。

Corporate Income Tax(法人税)

 決算期末後3ヵ月以内に申告

GST(消費税)

 毎四半期末後1ヵ月以内に申告

Withholding Tax(源泉徴収税)

 支払い発生から翌々月14日までに申告

Stamp Duty(印紙税)

 該当取引書類のサイン時から14日以内に申告
 

登記遅れ

 登記遅れはペナルティ対象です。多いのは決算遅れによるAGM(年次株主総会)期限の超過。他には“シンガポール支店”の場合、日本など本社役員の変更をシンガポールでも登記する必要があるのですが、漏れが散見されます。

AGM(年次株主総会)とAR(年次決算報告書)

 決算期末後6ヵ月以内にAGMを開催、その後1ヵ月以内に登記

会社情報の変更登記

 取締役新任・退任、登記住所変更、株式譲渡等は全て2週間以内登記

 

雇用に関する対応漏れ

 意外と多いのが、雇用関連の義務が見落とされているケースです。

Tax Clearance(外国人従業員退職時の所得税清算)

 外国人従業員退職の場合、1ヵ月前に年間所得税を計算しIRASに申告、最後の給与から所得税を控除して会社が納税する義務あり

AIS(従業員の所得情報提出)

 従業員7人以上の場合、従業員所得情報を毎年3/1までに提出

CPF(中央積立基金)

 翌月14日までに提出

SDL(技能開発税)

 雇用に伴い毎月発生する賦課金、バイトや外国人でも支払いが必要

 

 こうした事項について自社での要不要や対応が即判断できない場合は要注意です。知らなかった、では許してくれません。これを機に社内外の専門家をアサインし、確認しておきましょう!

 


高橋正名
Singa Company Services Pte Ltd Managing Director
日本にてコーポレート・ファイナンス、組織開発コンサルティングに従事した後、シンガポールに移住、「シンガ・カンパニー・サービス」を創業。
会計、税務、会社関連登記、ビザ申請、財務コンサルティングを専門として、クライアントの会社経営を全面サポートすべく日々奮闘中。
Website: singacompanyservices.com
Email: toiawase@singacompanyservices.com

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