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新規進出企業レポート

2015年7月20日

業者向けに日本料理の食材を開発  シンガポールをアジアの和食ハブに

GLOBAL FOOD CREATORS SINGAPORE PTE. LTD.

日本料理の業務用食材の一次卸売業者、ジーエフシー株式会社(GLOBAL FOOD CREATORS Co., Ltd.)が今年3月、シンガポールに子会社GLOBAL FOOD CREATORS SINGAPORE PTE. LTD.を設立した。

日本で創業44年目を迎えるジーエフシーはレストラン、ホテル、居酒屋などで使われる業務用和食の開発を手がけ、原料から調味料、各種加工品、和菓子、おせち料理や懐石料理まで2万点以上の自社商品を扱っている。約800の協力会社が商品に応じて製造し、仕入れ、問屋を通じてレストランなどへ届ける。

GLOBAL FOOD CREATORS SINGAPOREジェネラルマネージャーの武末真由美さんは、同社の強みの一つに顧客のニーズに応える商品の企画・開発を挙げる。

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「シェフの方がひと手間加えて仕上げ、その店のオリジナルのメニューにしていただくことが、当社の商品の役目。ですから、一般の消費者の方は当社の名前はご存知ないでしょう。あくまで『黒子(くろこ)』としての役割を果たしています。最近はお客様のリクエストも緻密になってきましたが、しっかりご要望に応える商品をつくることができるのが当社の強みです。また、海産物なども日本各地から選りすぐりのものをお届けできるなど調達力にも自信があります」。

ジーエフシーは衛生情報室を持ち、多岐にわたる検査を行い食品の安心と安全に取り組んでおり、原材料の生産地を知るトレーサビリティ管理も徹底している。

 食品展示会に出展し、手応え 初の海外拠点をシンガポールに設置

シンガポールは同社にとって初の海外拠点ではあるが、すでに10年以上前から韓国の日本料理店を皮切りに海外からの引き合いが増え、2008年に海外営業部を設立。現在は台湾、香港、ベトナム、フィリピン、タイの顧客へ商品を納入している。

「社内でもシンガポールには以前から注目し、実際に来て市場調査をしていました。昨年シンガポールで開催された日本食の総合展示会『Oishii Japan』に出展したのですが、地元の企業から本当に多くの引き合いがありました。今後は当地のレストランチェーンなどへ営業をし、OEM(他社製品の受託製造)の可能性も探っていきたい。また、日本からマレーシアやインドネシアへ直接貿易すると、通関業務の煩雑さなど不便な点があります。その際に三角貿易の経由地としてもシンガポールは好適です」。

海外に本物の和食を届けることにこだわりを持ちつつ、現地のニーズに合わせたアレンジも行う。

「味は本物の和食が基本です。お客様からも本物の味を求められます。ただし容量などは現地で好まれるように調整します。また、最近は日本料理店だけでなく、フレンチ、イタリアンといった西洋料理にも、わさびなどの日本の食材が使われ、可能性は大きいと思います」。

ジーエフシーは、シンガポールを日本に続く一大拠点としたいと考える。

「シンガポールを東南アジアにおける『和食のハブ』にしていきたい。その中で、新しい日本料理のメニューを生み出すことができたらうれしいですね」。

会社プロフィール

1972年、岐阜市に株式会社岐阜珍味として創業。和食の業務用加工食品の企画、開発、販売を手がける。本社は岐阜県羽島郡。営業所が仙台市、さいたま市、東京都中央区、大阪市此花区、福岡市博多区にある。東証JASDAQ上場。

GLOBAL FOOD CREATORS SINGAPORE PTE. LTD.

112 Robinson Road, #07-03 Robinson 112 Singapore 068902

Tel: 6692-8322

www.gfc-c.co.jp

 

 

 

 

取材後記

武末さんは山口県出身。海外営業部の立ち上げに携わり、韓国、ベトナムなど海外市場を担当していた。海外で生活するのは今回シンガポールが初めてとのこと。

「実は大学の卒業旅行で初めての海外旅行として来たのが、シンガポールでした。しかし、旅行で来るのと住むのとでは、口座開設など生活のためにいろいろしなくてはいけないことがあり、やはり違いますね」。

 趣味は旅行、舞台鑑賞、美術館巡り、食べ歩き。

「これまで行った旅行先ではやはりニューヨークやイタリアが印象に残っています。歌舞伎を観るのが好きで、8月にシンガポールで行われる『滝沢歌舞伎』のチケットも買いました。また、レストランは流行の店や注目の店は行くようにしています。プライベートで行っても、仕事の目で見てしまうことがよくありますね」。

 好きな言葉は「笑う門には福来る」。

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