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嶋津良智の「リーダーにつける薬」

2010年8月2日

デキるビジネスマンは、なぜメモ魔なのか?

優秀なビジネスマンはよくメモを取る、という話は聞いたことがあると思います。では、メモを取る効果とは何でしょうか?

 

 

私もよくメモを取りますが、改めてメモを取る効果について考えてみました。

  • 約束を守ることにより信頼が得られる
  • 情報を1箇所にまとめておくことにより、整理されて一目で分かる
  • 整理力、段取り力が磨かれる
  • 実行力があがる
  • 情報が増えて、頭の引き出しが増す(直観力が磨かれる)
  • 自分との約束も守るようになるので、自信がつく

上記のようにいろいろな効果があります。しかし、一番は何かというと「忘れることができる」というメリットではないでしょうか。要するに頭の中のハードディスクの容量にスペースを作ることができるということなのです。

 

 

人は記憶で「あれもやらなきゃ」「これもやらなきゃ」「○○を覚えていなきゃ」「あの企画の構想はこんな感じかな」と考えていると、集中力にも欠けますし、忘れることへの不安感から解放されず、仕事の効率が落ち、結局期待する成果が得られず、挙句の果てに忘れたことにより約束を守れず信頼をなくし、自信まで失ってしまう場合があります。

 

 

しかし、メモを取ることによって、そして、それをちゃんと自分なりに整理しておくことにより、集中力が上がり、忘れることへの不安感から解放され、仕事の効率が上がり、期待する成果が得られるようになり、約束を守ることにより周囲から信頼が得られ、自信までつくということになるわけです。

 

 

あなたは、人は1日に25分もの時間を物探しに費やしているというデータがあるのをご存知ですか?

記憶より記録、乱雑より整理を軸として物を探す時間をなくすだけで、年間152時間(労働時間にすると約20日間)の時間の削減が図れるということです。

20日間といえば1ヵ月分ですから、メモを上手に取らない人は、人が12ヵ月間仕事をしているところを、11ヵ月しか仕事をしていないことになります。

1日24時間という時間は有限です。しかし、1日24時間という時間の使い方は無限です。同じ時間を使うのであれば、よりリターンの大きな仕事に集中できるよう、ぜひメモ魔になってください。

文=嶋津良智(しまづよしのり)


株式会社リーダーズアカデミー
代表、シンガポール在住。
2度の株式上場体験を活かし、日本・シンガポールを始め、アジアを中心に経営コンサルとして活動。世界9ヵ国12都市でチャリティーセミナー実施。
最強の部下を育成し、最強の組織を作る、業績向上のための独自プログラム『上司学』が好評を博す。著書7冊執筆、韓国・台湾でも翻訳されている。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.172(2010年08月02日発行)」に掲載されたものです。

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