2023年7月7日
中銀バンクネガラ、政策金利を3%で維持
中央銀行バンク・ネガラ(BNM)は7月5、6日の2日にわたって定例金融政策会合(MPC)を開催し、政策金利である翌日物政策金利(OPR)を3.00%で維持することを決定した。BNMは2022年5月以降、段階的に金利を2.75%まで引き上げた後、据え置いていたが、今年5月に0.25ポイント引き上げて3.00%としていた。
BNMは声明の中で、金融政策のスタンスにおいて現在の金利水準はやや緩和的であり、依然として経済成長を下支えし続けていると説明。金融不均衡のリスクは限定的であるとして、今後も引き続き情勢を監視し、金融政策が物価安定の下で持続的な経済成長を確保するとした。
国内経済については、今年第1四半期は力強い成長を遂げたが、第2四半期は外需鈍化の影響で輸出が減少したことにより成長は緩やかなペースとなったと指摘。しかし、年末までは引き続き底堅い内需が成長を牽引すると予想した。また、良好な労働市場が家計支出を下支えし、外国人観光客増加による観光産業の成長、複数年にまたがる大型インフラプロジェクトによる投資活動の下支えが上振れ圧力となる一方、世界経済の成長が予想を下回る可能性などが成長リスクとなるとした。なおインフレ率は、概ね予想の範囲内で低下していくことが見込まれるという。
世界経済については、力強い労働市場に支えられた底堅い内需や中国経済の活動再開が経済成長を牽引したが、インフレや金利の上昇により圧迫されていると指摘。インフレ率の上昇率は緩やかになってきているものの依然高い水準にあり、今後も金融引き締めが行われると予想し、今後も予想を上回るインフレ率の上昇、地政学的緊張の高まり、急激な金融引き締めなどが景気の下振れリスクとなるとした。
(提供:ASIA INFONET.COM)