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社会

2022年3月18日

モデルナ社ワクチンのブースターは、ファイザー社より高齢者の防衛力アップに効果的

 国立感染症センター(NCID)の研究者は、高齢者が過去にファイザー社のワクチンを接種していた場合、モデルナ社のワクチンでブースター注射をすると、Covid-19に対する防御力が高まることを明らかにした。
 
 ブースター注射の7日後、60歳以上でモデルナを接種した人の平均抗体レベルは、ファイザーを接種した人の2倍であったことが、研究によって示された。
 
 これは、Covid-19ウィルスの懸念されるすべての亜種で一貫していたと、NCIDは3月17日(木)に述べた。
 
 NCIDのシンガポール感染症臨床研究ネットワークの責任者であるバーナビー・ヤング博士は、この研究の目的は、ブースター注射による本疾患に対する免疫を理解するための現地データを構築することである。防御免疫を回避する変異型の出現は依然として懸念材料であり、長期的なCovid-19免疫戦略の必要性を強調していると述べた。
 
 この研究は、ヤング博士の共著で、科学研究誌SSRNに木曜日に掲載されたが、まだ査読を受けていないという。
 
 研究は、昨年10月12日から12月3日の間に行われたもので、Covid-19の主要な予防接種シリーズとしてファイザーの注射を受けた100人の参加者を対象としており、参加者の半数は60歳以上であった。
 
 研究者らは、ワクチン接種後28日目でも、高齢者の平均抗体レベルは、モデルナブースターを摂取した人の1.5倍を維持していることを確認した。
 
 しかし、若年層では、2つのワクチンの抗体価は同程度であった。
 
 この研究では、ブースター注射の28日前、ブースター注射当日で注射の前、注射後7日および28日後に血液を採取している。
 
 60歳以上の高齢者では、オミクロン変異体に対する中和抗体価は、モデルナブースターが注射後28日で84.3%、ファイザーブースターが72.8%であったことを報告した。中和抗体は、コロナウイルスに対する免疫に重要な役割を果たすと考えられている。
 
 ヤング博士によると、オミクロン変異体は完全なワクチン接種を受けた人でも免疫から逃れられることが分かっているが、この研究結果によると、どのブースター注射を打ってもオミクロン変異体に対する免疫を高めるのに役立つという。
 
 さらに、抗体増強の大きさは、この変種への感染に対する大きな防御となる可能性がある。60歳以上の高齢者など、Covid-19の重症化リスクが高い人は、1次接種から6ヵ月後に抗体価が低くなる可能性が高いので、このような人はブースター接種を受けることが重要であると述べている。
 
 NCIDによると、この研究は、さまざまなワクチンの組み合わせと免疫について主導している進行中の研究の一部であるという。ブースターショットの研究では、ワクチン反応はよく見られるが、軽度で短時間であることがわかった。
 
 一般的なワクチン反応は、ブースターショット後72時間以内の注射部位の痛み、疲労、次いで筋肉痛であった。高齢者では、ブースターとしてモデルナを投与された人に発熱や脱力感が多く見られ、重篤な副作用を示した参加者はいなかった。
 
 研究者らは、引き続き参加者の追跡調査を行い、抗体レベルの低下をモニターするために、ブースター注射の半年後と1年後に血液サンプルを採取する予定という。
 
 NCIDは、将来的にはノババックスを含む他のワクチンも対象とし、シンガポールの人口を反映した幅広い年齢層と民族の600人までの参加者を想定している。今回の試験で得られた知見は、他の国際的な試験を補完するものであると述べている。
 

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