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政治

2021年9月8日

公衆衛生対策と安全管理措置の更新事項まとめ

 シンガポールでは高いワクチン接種率により、接種済みの人の重症化や死亡率を低く抑えられている。しかしワクチン未接種の人は依然として影響を受けやすく、過去28日間で、ワクチン未接種の感染者の6.7%が重症化または死亡した。一方、コミュニティでの新たな感染者数は、2021年9月5日までの週に、前週の600人から約2倍の1,200人を超えた。この状況で感染が続くと、毎週、前週比で2倍の感染者が発生することになる。これは、COVID-19感染により、より多くの人が深刻な結果に苦しむことが予想されることを意味している。
 
 感染者の指数関数的な増加の可能性を抑えるために、今すぐ対策を講じる必要があると政府は判断。9月6日、シンガポール保健省(MOH)は、コミュニティでの感染を遅らせるための集団行動について以下のとおり公表した。
 

公衆衛生対策の更新

 感染拡大を抑えるため、政府は公衆衛生対策を強化していく。クラスターが確認された場合、濃厚接触者の隔離に加えて、感染者周辺の広い範囲の人をキャッチしてクラスターを速やかに封じ込めるため、健康リスク警告(Health Risk Warning(HRW))と健康リスクアラート(Health Risk Alert(HRA))を送信。コミュニティで感染者数が増加しているため、HRWやHRAを受信する人も増える見込み。
 
 HRWおよびHRAは隔離命令(quarantine order)ではない。ただし、HRWを受け取った人は、PCR検査を受検し、陰性の結果の通知を受けるまで、自己隔離することが法律で義務付けられている。その後、ART(抗原迅速)検査と14日目に再度PCR検査を行う必要もある。 HRAを受け取った場合、法律で義務付けられている措置の対象ではないものの、できるだけ早くPCR検査を受けることが強く求められる。 HRWとHRAを受け取った人は、14日間、他者との接触を控える必要がある。
 

検査体制の更新

 検査は、引き続き、感染を早期に発見し囲い込むための戦略の重点である。感染の増加率を考慮した結果、義務的迅速簡易検査(FET)と定期検査(RRT)の頻度が2週間に1回から1週間に1回に引き上げられる。 2021年9月13日からこの検査頻度は適用され、感染者をより迅速に発見し囲い込むことができる見込み。デルタ変異株の感染力を考えると、これは特に重要な対策である。
 
 飲食店(F&B)、パーソナルケアサービス、ジムやフィットネススタジオなどのリスクの高い環境では、義務的FET/RRT検査が導入されたが、この要件を、モールの労働者、スーパーマーケットのスタッフ、宅配配達担当者(小包や食品の配達担当者を含む)、公共および民間の輸送労働者(タクシー運転手、レンタカー運転手、およびすべての公共交通機関の最前線のスタッフ)などを含む、コミュニティとの頻繁なやり取りを伴うより多くの業種に拡大適用。こうした業種のすべての労働者は、7日毎のFET/RRT検査を受けなければならない。これらの検査は、主に雇用主の監理による検査を通じて実施される。政府は2021年末まで、ワクチン接種済みの人とワクチン未接種の人の両方を対象とし、この強化された監視体制の下でのすべての検査費用を助成する。
 
 政府は義務的RRTの対象となる業種に加えて、特に現在現場で作業している業種に対して、定期的な検査を強化したいと考えている。関係省庁タスクフォース(MTF)は、現在義務的RRTの対象となっていない業種の企業に対し、抗原迅速検査(ART)キットを期間限定で配布。各企業には、 2か月間にわたって現場作業スタッフを毎週検査するために、現場スタッフ1人あたり8つのキットが提供される。これらのキットを使用し、対象となるすべての企業が現場スタッフの毎週の検査を開始することが想定されている。この検査は、自宅または職場で個人で実施可能。ただし、雇用主は、検査が適切に行われていることを確認するプロセスを導入し、その結果を各政府機関に報告する必要がある。
 
 ただし、検査だけでは不十分である場合もある。体調が悪い場合は医師の診察を受け、自己隔離をして仕事には行かないことが求められる。また、雇用主も、体調が悪い場合は医師の診察を受け、職場に来ないよう従業員に注意を促すとともに、職場で感染者が発生した場合に対応するための事業継続計画を策定しておくことが強く推奨される。
 

安全管理措置の更新

職場対策

 最近の職場でのクラスターは、安全管理措置が緩いために発生していたことが分かっている。特に、社員食堂やパントリーなどで人々がマスクを着用せず、警戒を緩める傾向がある場所で発生。したがって、2021年9月8日以降、職場での懇親会や交流は許可されない。
 
 また、労働者の感染があった場合は、より厳しい措置が講じられる。特に雇用主は、COVID-19に感染し、職場に出勤した労働者が1名でもいたことが判明した場合には、14日間、在宅勤務できる労働者全員を在宅勤務にすることが必要になる。在宅勤務をしている人は、この14日間の間は、社交的集まりへの参加を控え、必要最低限の外出にとどめなければならない。
 

社交的集まり

 すべての人、特に脆弱な高齢者または高齢者と一緒に住んでいる人は、今後2週間は必要不可欠でない社交的活動を減らすことが強く求められる。社交的集まりは、定期的に集まる小グループに限定し、1日に1回に限定しなければならない。ワクチン接種済みの人、未接種の人を含むすべての人は、特にリスクの高い活動に参加したり、大規模な活動に参加したりする場合は、抗原迅速検査(ART)で定期的に自己検査を行う必要がある。ARTキットは現在、ほとんどのスーパーマーケットやコンビニエンスストアで販売されている。
 

COVIDレジリエンスに向けて

 政府は今後2週間、感染状況を注意深く監視。感染リスクを下げることができるように、自己検査を強化し、安全な管理措置を遵守するために、すべての国民に協力を求めている。移動や社会的交流を最小限に抑えることで、誰もが自分の役割を果たすことができ、特に感染が急増している職場や共有・公共スペースでの感染を減らすことができる。体調が悪い場合は、医師の診察・検査を受け、自己隔離し、回復するまで出勤したり社交的集まりに参加しない。シンガポール政府はCOVID-19レジリエントな国を目指して、より強く、より安全になるために国民と共に取り組んでいくと述べた。
 

提供:在シンガポール日本国大使館

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