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経済

2021年3月10日

シンガポール航空、IATA「トラベルパス」アプリを世界で初めて試験導入

 シンガポール航空は、2021年3月15日から3月28日の間にシンガポール発ロンドン着のフライトに搭乗する乗客を対象に、デジタル健康認証を行う国際航空運送協会(IATA) のモバイルアプリ「トラベルパス」を航空会社として世界で初めて試験導入する。シンガポール航空は、第一段階として2020年末より IATA の「トラベルパス」をベースにした新しいデジタル健康認証プロセスの実証試験を開始しており、今回のモバイルアプリの試験導入は第二段階となる。
 
 アップル社のiOSを搭載した携帯電話を持つ乗客がIATA「トラベルパス」アプリをダウンロードすると、乗客のプロフィールとパスポート情報からなるデジタルIDを作成できるようになる。また、乗客がフライト情報をアプリに入れることも可能。その後、出発前の新型コロナウイルス検査を管理するオンラインポータルにて、シンガポール国内で加盟している7つのクリニックのうちいずれかで、新型コロナウイルスの出国前検査を予約することができる。乗客はアプリ内のデジタル ID およびフライト情報を利用してクリニックに登録ができ、アプリ上で検査結果や搭乗するフライトの予約状況を直接確認することが可能だ。さらに、IATA が提供する渡航情報マニュアル「Timatic」により、新型コロナウイルス検査や入国条件に関する情報が提供される。
 
 同アプリを利用する乗客は、出発前のチャンギ国際空港でのチェックイン時に、アプリ内の自身のステータスが「確定」になっていることを提示する必要がある。また現在の規制に従い、出発前に新型コロナウイルス検査を受けたクリニックが発行する健康証明書の紙の写しが必要だ。
 
 健康に関する証明を一つのアプリにまとめることで、利用者はより早く円滑にチェックイン手続きを行うことが可能になる。また、健康に関する情報は機密性が高いことを鑑み、データは携帯電話の端末に保存され、中央データベースには保存されないため、利用者の個人情報も利用者自身で管理できる仕組みになっている。
 
 シンガポール航空は今回の運用を検証し、今後は2021年半ば頃からIATA「トラベルパス」をベースに、デジタル健康認証プロセス全体をシンガポール航空のモバイルアプリに統合する予定。

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