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経済

2021年3月5日

製造業景況感が改善、先行きは慎重な見方も

 マレーシア製造業者連盟(FMM)とマレーシア経済研究所(MIER)が3月2日発表した2020年下半期の製造業景況感で、半年前に比べた現況指数が101となり、12年以降で最低だった前回調査(20年上半期)の31から70ポイント上昇した。「改善」と「悪化」の分水嶺である100を19年以降で初めて上回った。ただ向こう半年の見通しに関する期待指数は87で100を下回った。新型コロナウイルス感染症の再流行を背景に、慎重な見方が続いている。
 
 調査は652社を対象として20年末からの1カ月間に実施。FMMとMIERはリポートで、新型コロナ流行が一時的に落ち着いたことで20年下半期の事業環境は上向いたものの、20年末に新型コロナが再発したことで先行きについては慎重な見方が広がっていると総括した。
 
 現況指数の詳細をみると、生産高と稼働率がともに101で、前回調査から70近く上昇。生産コストは146と高く、20年上半期の130からさらに上昇した。国内販売と輸出、設備投資はいずれも88で100を下回ったが、前回調査から20〜50ほど上昇。従業員数は95で、前回の82から上昇した。
 
 一方、期待指数の詳細をみると、国内販売が87、輸出が88、生産高が91、稼働率が92で100を下回っただけでなく、現況指数も下回った。一方、設備投資は98、従業員数は102、生産コストは155で現況指数を上回った。
 
 なお雇用については、回答企業の54%が21年上半期に「従業員数を維持」、26%が「増員する」と回答。「解雇する」と答えたのは2%にとどまっている。
 

(提供:亜州ビジネスASEAN

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