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経済

2021年1月8日

自社株買い、昨年は75%増の10億ドルに

 【シンガポール】株価低迷を背景に昨年は上場企業による自社株買いが増加した。シンガポール取引所(SGX)によると、自社株を買い戻した上場企業は前年比20%増の100社で、買い戻しに投じた額は同75%増の10.3億Sドル(約807億円)だった。
 
 買い戻し額が多かったのは20社で、買い戻し総額の94%を占めた。上位5社は、銀行最大手のDBS、パーム油のウィルマー・インターナショナル、OCBC銀行、中国系揚子江船廠、政府系兵器メーカーのシンガポール・テクノロジーズ・エンジニアリング。前年はウィルマーではなく、ケッペルREIT(不動産投資信託)が上位に含まれていた。
 
 ウィルマーは昨年、発行済み株式の0.7%に当たる4,470万株を買い戻した。これ以前、16年8月12日以降は買い戻しを一切行っていなかった。
 
 全体で、12月の自社株買い戻しは1億1,440万Sドル(約90億円)で、前月の1億7,420万Sドルを下回ったが、前年同月(7,010万Sドル)を上回った。
 
 代表的株価指数のストレーツ・タイムズ指数(STI)は12月に1.3%上昇したが、通年では8.1%の下落だった。市況が低迷すると自社株買いが増加する傾向がある。
企業は買い戻した後に消却することで発行済み株式数を減らすことができ、その結果、1株当たり利益や資産価値が向上する。

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