デジタル銀行免許を4チームに交付、ホールセール免許は中国系が独占

　シンガポール金融管理庁（MAS）はデジタル銀行免許入札の結果を4日、発表した。フルバンク免許の交付を受けるのは配車サービスのグラブと通信最大手シングテルの連合体、およびシンガポール生まれのインターネットサービス会社Seaで、オブザーバーの予想どおり。
 
　ホールセール免許の交付を受けるのは、中国アリババ傘下のアント・グループ（螞蟻集団）、および中国の緑地金融、リンクロジス香港、北京コーポラティブ・エクイティー・インベストメント・ファンド・マネジメントの連合体。緑地金融は国営緑地グループの子会社。
 
　MASは当初、ホールセール免許は3つ交付する予定だった。MASは、応募者の能力を厳格に審査した結果2つになったと説明した。
 
　グラブのアンソニー・タン最高経営責任者（CEO）は「国民の日々のニーズに対応できるグラブとシングテルの能力を一体化させ国民の金融管理能力を引き上げる」と語った。
 
　シングテルのユエン・クアンムーン次期CEOは、ウイルス禍でデジタルプラットフォームの重要性が再認識される中での免許授与だとコメントした。
 
　落選したほかの複数のコンソーシアムにも中国企業は参加しており、中国企業のホールセール免許落札は予想されたところ。