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経済

2020年12月4日

サイムダービー、山東省の河川港売却

 自動車や工業製品のコングロマリットであるサイムダービー(SIME)は、香港の100%子会社を通じて保有していた中国山東省済寧市にある河川港3港の権益70%すべてを2億9,390万人民元(約46億8,000万円)で売却すると発表した。非中核事業から撤退し、主力事業に注力する戦略の一環としている。
 
 売却先は現地の済寧海運港口(JPSDG)で、1ヵ月以内に手続きを終える。一方、同市を拠点に貨物輸送や石炭卸売業を行うJPSDG子会社の株式49%を1億9,990万人民元(約32億円)で取得する。ただこの株式49%は3年以内にJPSDGに2億1,370万人民元(約34億円)で売却し、完全撤退する。
 
 サイムダービーのジェフリー・サリム・デビッドソン最高経営責任者(CEO)によれば、同社はこれまで済寧市の港湾事業に2億9,100万人民元(約46億円)を投資。1億4,100万人民元(約22億円)の配当を受け取るなど投資リターンを得ていた。ただ近隣の港湾との競争が激化し、このところ利益率が下がっているという。自動車や工業製品に注力する戦略にも沿うことから、撤退を決めた。
 
 サイムダービーの中核事業は自動車と工業製品で、自動車部門ではBMWやロールスロイス、ランボルギーニ、ジャガーランドローバー、マクラーレンなどの高級車メーカーと提携。中国でもこれらの販売やアフターセールスを手がけている。中国事業に力を入れており、グループ売上高の4割を同国で稼ぎ出している。

(提供:亜州ビジネスASEAN

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