一般旅行客の香港との往来を再開へ、検査実施で待機を不要に

　シンガポールと香港当局は、互いに新型コロナウイルスの感染の懸念がない国・地域とみなし、感染を防止しつつ隔離期間なしで一般旅行客が入国後、すぐ行動できるようにする「トラベルバブル」を構築することで原則合意した。2国・地域間のトラベルバブルはアジアでおそらく初のケース。
 
　オン・イエコン運輸相は15日の記者会見で、数週間後のトラベルバブル開始を希望していると表明。「航空ハブであるシンガポールと香港が感染を抑制しつつトラベルバブルを構築できれば、ほかの国のモデルともなる」と述べた。
 
　相手国・地域に入国するには少なくとも出発国・地域（香港かシンガポール）に14日間、滞在している必要があり、出入国時のウイルス検査で陰性でなければならない。
 
　当面はクオータ制にして旅行者数を制限する。航空便もトラベルバブル客専用とし、乗り継ぎ客などほかの旅客を搭乗させない。オン氏は「航空部門を開放しなければならない。経済全体に影響するからだ」と述べた。
 
　香港はシンガポール人旅行者に人気の年末休暇の訪問地。国際航空運送協会（IATA）は、アジアのほかの国もシンガポールと香港と同様の手法を取るよう求める声明を発表した。