シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP政府投資公社の投資利益率は2.7%、08年以来の最低

経済

2020年7月28日

政府投資公社の投資利益率は2.7%、08年以来の最低

 外貨準備を運用するシンガポール政府投資公社(GIC)は27日、3月期(2019年4月~20年3月)の投資利益率はインフレを考慮した実質で2.7%だったと発表した。2001年度から20年間の平均値で、米国発の金融危機があった2008-09年度に記録した2.6%以来の最低。
 
 リム・チョーキアット最高経営責任者によると、ハイテクバブルで利益率が大幅に改善した2000年度の実績が計算に含まれなくなったのが、利益率下落の主因。
 
 GICは、世界経済でリスクが高まりつつあったため、景気にあまり左右されない、安定的利殖が期待できる資産の比率を高めた。この結果、今年第1四半期の世界的な株式下落の影響を緩和できた。具体的には債券、現金など低リスク資産の比重を44%まで高め、株式保有比率を下げた。
 
 ジーンスバキジュ最高投資責任者は、利回りが期待できる債券を発行している国を注視しており、自国通貨を支える意志のある政府かの見極めが重要だと述べた。
 
 運用資産の地理配分は、米国が3分の1強で、アジアが32%。米国は依然有望市場のため配分比率は変更しない。先行きアジアを有望視している。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP政府投資公社の投資利益率は2.7%、08年以来の最低