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社会

2020年6月26日

食料の国内生産強化が緊要に、価格の高さが課題

 新型コロナウイルスの世界的感染拡大で、複数国が農産物輸出を停止するなど、食糧安全保障の問題がクローズアップされており、シンガポールでも食料生産を強化する必要性が農家や食糧安保の専門家から指摘されている。しかし国産品は価格が高めで、需要掘り起こしの工夫が必要のようだ。
 
 シンガポール食料庁(SFA)は、感染拡大は食料の国内生産の重要性を改めて認識させたとして、この先6~24カ月間の食料生産を増やすため、3,000万Sドル(約23億円)の緊急融資枠を設定した。
 
 農水産物の免許を持っているのは227社で、83社が野菜栽培、111社が沿岸養魚に携わっている。
 
 農場を運営するケニー・エン氏よると、消費される鶏卵の25%は国産品だが、輸入品との価格差のため業者は販売に苦労しているという。フェアプライスが販売している「パサー」ブランドの卵で、マレーシア産は1個15セントで、国産品は24セント。
 
 ラジャラトナム国際問題研究学院のポール・テン教授は「一般にシンガポール人は値段にうるさい」と語った。
 
 農家は、現在の感染問題による危機は国産品購入を国民に促す天の声ととらえており、店頭で目立つところに置くなど小売業者の協力も欠かせないようだ。

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