2020年5月19日
4月の非石油地場輸出は予想外の10%増、薬品輸出が大幅増
エンタープライズ・シンガポール(企業庁)が18日発表した4月の非石油地場輸出(NODX=石油・再輸出を除く輸出)は149億Sドル(約1兆円)で、前年同月比9.7%増加した。薬品輸出の大幅増が貢献した。
前年比でのNODXの増加は3カ月連続。マレーシア系メイバンクのエコノミストは、製造業は全体として必須サービスとみなされており、経済・社会活動を制限する「サーキットブレーカー」の影響をある程度免れた、との分析を示した。
電子機器以外の輸出は13%増加した。薬品輸出は174%の大幅増で、これには抗生物質、インスリン、風邪薬が含まれる。
ほかに輸出が増加したのは調整食品と金(きん)で、増加率はそれぞれ66%、25%。経済の先行きが不透明なことから世界的に金の需要が高まっている。食品輸出の増加もコロナウイルス禍が影響した。
電子機器輸出は0.6%減だった。パソコン、ダイオード・トランジスター、ディスクドライブの輸出が減少した。石油化学品輸出も引き続き低迷した。
輸出市場別では、対米が124%、対欧州連合が107%、対日が81%、それぞれ増加。中国、香港、マレーシア、インドネシア、タイ向けは減少した。
再輸出、石油貿易を含めた総貿易は746億Sドル(約5兆6千億円)で、前月の831億Sドル(約6兆2千億円)を下回った。