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社会

2020年5月18日

セーフ・ディスタンシング大使に嫌がらせ、バンヤン・ツリーは赤字

 シンガポール政府観光局(STB)管轄施設で、住民がマスクを着用しているか、他人と安全な距離を保っているかを監視するセーフ・ディスタンシング大使125人が食堂やホテル、カジノリゾートなどを巡回しているが、罵りを受ける、監視拒否の態度を示される、など厳しい現実に直面している。STBが雇用した大使で、ツアーガイドが半分余りを占めている。
 
 STBによれば、チャイナタウンでは飲食店のキッチンでマスクを着用していない従業員がいたため大使が注意したところ、店側はドア、窓を占めるという措置に出た。大使に店を訪問されても従業員がマスクをつける時間的余裕を稼ぐためだ。大使は赤のシャツをまとい、町を巡回し監視・指導に当たっている。
 
 感染者への処置では、PCR検査でコロナウイルス陽性の反応が出ていた18人の市民が、収容されていた軽症者用施設から退所を許可された。保健省によると、臨床的に問題のない人達で、検査では陽性との結果が継続的に出るが、口から出るウイルス性物質は不活性化しており、他人に伝染しないという。
 
 感染対策による経済への影響では、高級リゾート運営業者のバンヤン・ツリーが第1四半期(1~3月)に340万Sドル(約2億5千万円)の赤字を計上した。このため株式に転換できる社債を株主割当として発行し5,040万Sドル(約37億円)の資金を調達する。経営破たんを回避するためだ。

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