シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPシンガポール航空、通期で初の赤字に転落

経済

2020年5月15日

シンガポール航空、通期で初の赤字に転落

 シンガポール航空(SIA)は14日、通期で赤字を計上したと発表した。通期決算での赤字は48年の歴史で初めて。
 
 第4四半期(1~3月)が7億3,240万Sドル(約551億円)の赤字で、年初9カ月(4~12月)の黒字を消し去った。第4四半期の売上高は前年同期比22%減の32億Sドル(約2,409億円)。
 
 通期の売上高は前期比2%減の160億Sドル(約1兆2千億円)、営業利益は94.5%減の5,900万Sドル(約44億円)、最終損益は2億2,100万Sドル(約166億円)の赤字だった。
 
 第4四半期の業績悪化は新型コロナウイルスCovid-19の感染拡大が主因で、感染源である中国、またシンガポールを含む複数国が出入国規制を敷き、外国人観光客が急減したためだ。同期の営業収支は8億3,000万Sドル(約624億円)の赤字。
 
 燃料油に対しかけていたヘッジによる損失は1億9,800万Sドル(約149億円)。原油価格の急落が原因。SIAは輸送能力を90%以上削減しており、燃料消費が計画を下回ったことによるヘッジのかけすぎによる損失(7億1,000万Sドル/約534億円)もある。
 
 現時点で先行き明るい見通しは立たないという。財務力を改善するため株主割当で88億Sドル(約6,623億円)を調達する。主要株主の国営投資会社テマセク・ホールディングスは割当に応じる。
 
 SIA株価は決算発表前、3.74Sドル(約280円)と30年来の安値を記録した。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPシンガポール航空、通期で初の赤字に転落