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経済

2020年5月13日

証券口座開設が急増、3月の株価急落で投資意欲を刺激

 個人投資家による証券口座の開設が急増している。3月の株価急落で安値拾いの好機が到来したためで、休眠口座を抱えていた投資家も再び動き始めた。
 
 OCBC証券における第1四半期の新規口座開設は2,000件余りで、取引に参加した投資家の数は既に、昨年通年の90%に達した。
 
 コロナウイルス感染発生の初期、多くの個人投資家は株式市場から債券市場に転じたが、3月の株価急落をきっかけに株を処分した投資家が戻り、さらに新規参入も増えたという。
 
 フィリップ証券では1~4月の口座開設申請が過去3年間の同期平均の3倍だった。DBSビッカーズ証券、UOBケイ・ヒアンでも口座開設が増加した。シンガポール株を購入する投資家が多いが、米国株、香港株購入も見られる。人気があるのは銀行、航空、不動産投資信託など優良銘柄。
 
 シンガポール取引所(SGX)の3月の平均売買額は1日22億Sドル(約1,661億円)と、ここ数年の最高を記録した。4月はやや勢いが衰え14億Sドル(約1,057億円)に減少したが、それでも前年同月を上回った。
 
 OCBC証券のアルビン・タム氏は「一生のうち数回、株式市場で大転換が起こるが、今まさにそれが目の前で展開している。投資の好機が生まれているが、思いがけない危険もある」とコメントした。

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