シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP地場銀行の第1四半期決算はそろって減益、貸倒引当金計上で

金融

2020年5月12日

地場銀行の第1四半期決算はそろって減益、貸倒引当金計上で

 地場大手銀行の第1四半期(1~3月)決算が出そろった。3行とも金利収入は堅調だったものの、貸倒引当金を増額したため最終損益は減益となった。不良債権比率は1.5~1.6%。株主資本利益率(ROE)はDBSが9.2%、OCBCが6%、大華銀行(UOB)が8.8%と10%を下回った。
 
 3行とも通期で、クレジットコスト(融資先の破たんにより1年間に発生が予想される損失)の増加を見込んでいるが、借り手に対し政府が融資返済の猶予を今年末まで認めたため、どの程度の損失になるかは来年にならないとわからない。
 
 DBSの純利益は前年同期比29%減の11億6,500万Sドル(約882億円)で、約11億Sドル(約833億円)の引当金を計上した。貸付残高の0.8~1.3%(30億~50億Sドル/約2,272億円~3,788億円)のクレジットコストを2年間で予想している。
 
 OCBCの純利益は43%減の約7億Sドル(約530億円)で、保険部門子会社グレート・イースタンが保有する資産の評価減が主因。この先2年間のクレジットコストは貸付残高の1~1.3%を見込んでいる。
 
 UOBの純利益は19%減の8億5,500万Sドル(約647億円)で、2億8,600万Sドル(約216億円)の減損処理と2億6,000万Sドル(約197億円)の引当金を計上した。融資返済の猶予を申請した客の10~15%は不良債権になると予想している。
 
 3行とも、経営が破たんした石油ターミナル業者のヒン・リョンに融資している。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP地場銀行の第1四半期決算はそろって減益、貸倒引当金計上で