シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP政策金利を3会合連続引き下げ、09年以降で最低に

金融

2020年5月8日

政策金利を3会合連続引き下げ、09年以降で最低に

 マレーシア中央銀行は5月5日、定例の金融政策決定会合の結果、翌日物政策金利(OPR)を0.50%引き下げて2.00%にすると発表した。利下げは3会合連続。2009年以降で最低水準とした。新型コロナウイルス流行で世界経済が打撃を受け、国内では活動制限措置により経済活動が停滞していることから、景気を下支えするため追加利下げが必要と判断した。
 
 中銀は、今年上半期は国内経済が停滞するとの見方。ただ政府による景気刺激策と中銀による金融緩和策が下支えし、活動制限措置が解かれる中で徐々に回復するとみている。政府は3月18日に活動制限措置を発令。期限を3度延長して5月12日まで適用する方針だが、その間も操業を許可する業種を徐々に拡大している。
 
 中銀は今年のインフレ率について、原油価格の急落もあってマイナスになると予想。一方、金融システムの流動性は十分に保たれていると説明している。中銀による国債購入や預金準備率の引き下げにより、国内の金融システムには今年3月以降に420億リンギ(約1兆324億円)の資金が流入したとしている。
 
 中銀は昨年5月、約3年ぶりの利下げに踏み切った。米中貿易摩擦で国内経済成長の下振れリスクが高まる中、景気刺激を図る狙いで、その後は金利を据え置いていた。ただ世界経済の下振れリスクが拭えず、今年1月に予想外の利下げを敢行。その後新型ウイルス問題が深刻化して追加利下げを行っており、今年は3回の利下げで政策金利を計1.00%引き下げている。

(提供:亜州ビジネスASEAN亜州ビジネスASEAN
 

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP政策金利を3会合連続引き下げ、09年以降で最低に