シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP4月の廃業は8,700件に、シンガポール航空通期は赤字見通し

経済

2020年5月11日

4月の廃業は8,700件に、シンガポール航空通期は赤字見通し

 4月の廃業は8,663件と3月の4,008件の2倍以上になった。一方、4月の新規事業設立件数は3,767件で、2013年以来の低水準だった。「サーキットブレーカー」の終了とともに政府の賃金補助は減額されるため、廃業する事業体は増えるとエコノミストは予想している。
 
 廃業件数の統計は政府認定の情報サービス業者、ビズインサイトがまとめた。廃業事業者には企業、自営業、パートナーシップ、会計事務所が含まれる。
 
 6月以降はほとんどの企業に対する賃金補助は75%から25%へ減額される。融資返済猶予も半年間の猶予後は返済を開始しなければならず、メイバンク・キム・エンのエコノミストは、廃業はこの先一段と増加すると予想している。DBS銀行のアービン・シア氏は「サーキットブレーカーの4月初旬の導入と4週間の延長は多数の内資企業にとり命取りの原因。破たんすれば賃金補助計画も利用できない」と述べた。さらに、深刻な影響を受けた航空・観光業への政府支援は手厚いが、下請け業者は見逃されていると指摘した。
 
 シンガポール航空(SIA)は8日、3月期決算は赤字になるとの見通しを明らかにした。燃料ヘッジの失敗が主因だ。SIAが通期で赤字になるのは初めて。
 
 各国政府による国際旅客便の規制でSIAと子会社のシルクエアー、スクートは輸送能力を96~98%削減しており、21年度も赤字決算が予想される。しかしSIAに対し政府は全面支援を表明しており、株主である国営投資会社が最近、株主割り当てに応じた。

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