2020年5月8日
向かい風は長期にわたる可能性、証券投資関係者
証券投資の関係者は、コロナウイルス禍の影響に関する当初見通しの変更を余儀なくされている。4月初旬、ポートフォリオマネジャー(運用資金管理者)の多くが、ウイルス禍による向かい風は短期的で、値下がりした株を安値拾いする好機がもたらされる、との見方をとっていた。しかしこの予測は1カ月後には外れ、回復には当初予測以上の時間がかかるとの考えに変わっている。
OCBC系バンク・オブ・シンガポールのストラテジスト、リー氏は1年以上の景気後退もあり得ると述べた。さらに、第2波の感染拡大の可能性と中国経済の回復の遅さを懸念材料に挙げた。資産運用会社ジャヌス・ヘンダーソンの運用担当者は、株式市場の回復は当分ないと分析している。
投資会社GAOキャピタル創業者のヤク氏によると、市場の先行きが不透明なため、多くの企業が買いや売りの推奨を控えている。活動制限の緩和で経済活動は持ち直しが期待できるが、DBSは財政出動による支援措置がなくなる、あるいは減じられるため、下半期の回復程度を予想するのは困難だという。さらに、破産、ローン不履行、失業率の上昇など経済・信用危機がもたらされる可能性があるという。