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政治

2020年5月8日

ビルの完成・販売完了に半年間の猶予、不動産開発業に救済措置

 国家開発、通産など4省は6日共同声明を発表し、工事完成などで半年間の猶予を不動産開発業者に与えると発表した。ウイルス問題で開発業者には建設資材の入手で支障が生じ、ショールーム閉鎖命令で販売も思うに任せないためだ。ほかの住宅市況鎮静化措置は継続するという。
 
 声明によると、◇住宅・商工業ビルプロジェクトの完成期限◇住宅ビルの着工・完成・販売期限――について半年間の猶予を認める。また外資系業者が開発する住宅ビルの完工・販売期限の延長を最長、半年間認める。
 
 コンドミニアムなど集合住宅開発では一定期間内にすべの物件を売却できなかった場合、売れ残り物件には買い手負担の付加印紙税(ABSD)が販売の際に課せられる。
 
 ウイルス問題を理由に各国が敷いた公衆衛生のための措置でサプライチェーンが崩壊し、労働者の移動も影響を受けた。国内事情では2カ月にわたる「サーキットブレーカー」の実施で工事は停止し、ショールームも閉鎖され、期限内の完工、販売が困難になっている。
 
 マレーシア系RHB証券のアナリストは「ABSDという罰則なしで販売できる期間が長くなるため、市場の健全性が維持される。もし猶予を与えられなければ大幅値下げに踏み切らざるを得なくなる」とコメントした。
 
 クッシュマン・アンド・ウェイクフィールドによると、年内に完売できなかった場合、ABSDが適用される物件は30戸余りと、猶予措置の影響はわずか。

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