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経済

2020年4月28日

20年の経済成長率、最悪マイナス1%も=経済研究所

 マレーシア経済研究所(MIER)は、2020年の国内総生産(GDP)成長率が最悪のシナリオでマイナス1.0%になるとの見通しを発表した。新型コロナウイルス流行やその対策の一つである活動制限令(MCO)、原油価格下落などが重しになるとしている。ザ・サン・デイリーなどが4月23日付で伝えた。
 
 MIERは当初、20年の実質GDPを1兆4,800億リンギ(約36兆4,500億円)と見積もっていたが、新型コロナの影響を加味して下方修正。最良のシナリオでは1兆4,700億リンギ(約36兆2,100億円)、最悪では1兆4,100億リンギ(約34兆7,300億円)に落ち込むとみている。
 
 MIERは、最悪のシナリオでも政府による景気刺激策は1,230億リンギ(約3兆300億円)の経済効果を生み、95万5,000人の職は守られると試算。ただそれでも146万人が失職し、総額1,280億リンギ(約3兆1,530億円)の個人所得が失われるとみている。また個人消費は1,060億リンギ(約2兆6,110億円)失われ、物価は3.3%落ち込むと予想している。
  一方、最良のシナリオでは20年の成長率がプラス3.8%と、マレーシア中央銀行や世界銀行の予想と同じ水準になるとみている。MIERは、いずれのシナリオでも政府による景気対策は重要になるとみる一方で、移動制限令が長引くほど景気後退への圧力が強くなると懸念を示している。
 
 21年は経済が回復するとの見方で、最良のケースでは成長率がプラス4.3%になると予想。最悪のシナリオではプラス5.2%を見込む。最悪のシナリオでは比較対象となる2020年のGDPが低くなることから、21年の成長率が最良のシナリオより高くなるとしている。

(提供:亜州ビジネスASEAN
 

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