シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP昨年の出生数が4年ぶりに増加、死亡者も増加

社会

2020年4月2日

昨年の出生数が4年ぶりに増加、死亡者も増加

 昨年の出生数は3万9,253人で前年を0.5%上回った。増加は4年ぶり。一方で高齢者人口の増加で死亡者も増加傾向にあり、昨年の死亡者は0.5%増の2万1,385人だった。移民・検問庁(ICA)がシンガポール人口動態(速報値)として発表した。
 
 出生数はわずかな増加だが、政策研究所のマシュー・マシューズ氏は「出生率の低さを考えれば喜ぶに値する出来事」とコメントした。シンガポールの合計特殊出生率(一人の女性が出産可能年齢に産む子どもの数の平均)は1.14人と世界で最も低い部類に属する。マシューズ氏は「人口ピラミッド(年齢別人口構成図)に影響を与えるほどの出生数の増加ではないが、政府が講じている対策が出生率の低下を防いでいることは確か」と述べた。
 
 出産奨励措置には、子どもを産んだ親への現金給付(ベビーボーナス)、不妊治療料金の引き下げ、就学前補助の増額、フレックス勤務制の奨励がある。
 
 来年、出生数は減少が予想される。ウイルス感染発生による経済活動の低迷で将来への不安から、夫婦が子ども持つことに慎重になると予想されるためだ。シンガポール国立大学(社会学)のタン・アーセン氏は、出生率の低下は労働力の減少を意味し、労働競争力を減じるとの見解を示した。

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