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経済

2020年3月26日

医療用手袋工場の労働力半減、コロナと闘う世界に影響

 AP通信の3月24日報道によると、医療用ゴム手袋の世界市場で75%のシェアを占めるマレーシアで、生産工場の労働力が政府の新型コロナウイルス対策によって半減しており、新型肺炎の治療現場で最も必要とされているにもかかわらず不足している現状が、今後さらに悪化すると危惧されている。
 
 マレーシア政府は今月18日より全国規模の移動制限を発令。これに伴い製造業者の工場も重要製品を除いて操業が中止された。医療用ゴム手袋は重要製品と認められたものの、新型コロナへの感染リスクを低減するためとして労働力が半分に減らされた。
 
 一方、世界の医療現場ではゴム手袋の供給不足が深刻な状況だ。感染者が拡大する米国で、オレゴン看護師協会の関係者は、「満足な物は何もなく危機的だ。今もマスクが不足しているが、2週間後は非常に厳しい手袋不足に陥る」と述べた。イタリアでは先週新型コロナで死亡した医師が、メディアへの最後のインタビューで「患者を手袋なしで治療せざるを得なかった」と語っていた。
 
 マレーシア政府は「国内企業は輸出よりも国内需要を満たすことが先決」との立場だが、マレーシアゴム手袋製造業者協会(MARGMA)は今週、労働力半減措置からの除外を求めている。

(提供:亜州ビジネスASEAN

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