2020年3月13日
昨年は生産性が低下、建設業は改善
シンガポールの労働生産性が昨年は低下した。人材開発省の労働市況統計(確定値)によると、労働時間当たり付加価値は前年比1.5%低下した。低下は2010年以来。これ以前に低下があったのは、米国発の金融危機があった2009年。
人材省は、経済の減速と雇用の拡大を主因として挙げた。昨年の経済成長率は0.7%と低かった。建設業の生産性は改善したが、製造業とサービス業の生産性低下を補いきれなかった。
エコノミストは、生産性の低下は景気循環的性格が強いと分析している。OCBC銀行の主任エコノミスト、セレナ・リン氏によると、労働需給がひっ迫しているため雇用者は頻繁な採用・解雇を回避しており、経済成長が雇用統計に影響する傾向を強めているという。
メイバンク・キム・エン証券のチュア・ハクビン上級エコノミストは、過去10年に及ぶ政府の生産性引き上げ努力が成功だったかを現時点で判断することはできないとの意見だ。
DBS銀行のシア上級エコノミストは、経済転換が進展しているかは、所得の増加率で判断する方が正確との認識を示した。