シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP1月のコアインフレが下落、先行き不透明で物価上昇に抑制感

経済

2020年2月25日

1月のコアインフレが下落、先行き不透明で物価上昇に抑制感

 新型コロナウイルスの感染拡大が要因となって今年の物価は上昇が抑制される見通しだ。シンガポール統計局の24日の発表によると、1月の消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比0.8%で、前月と同水準だった。CPIから住宅賃借料、自家用車所有にかかわる経費を除いたコアCPIは0.3%と低率だった。前月のコアCPIは0.8%。
 
 シンガポール金融管理庁(MAS)と通産省の共同声明によると、基準年の変更がコアCPIの数字に影響した面もある。これまで2014年の物価を基準としていたが、消費パターンの変化を反映させるため、統計局は基準年を19年に改めた。
 
 指数に占める各項目の比重は、住居費・公益料金が24.8%、食品が21.1%、運輸が17.1%。ほかは、レクリエーション・文化、教育、医療など。
 
 1月の項目別指数では、運輸費用が4.2%、食品が1.7%、それぞれ上昇。衣料品・履物は3.8%、医療費は1.3%の下落だった。
 
 MAS、通産省は、食品、石油製品の供給は安定しており、輸入インフレが強まる可能性は低いとの見通しを示した。
 
 シンガポール経営大学付属リー・コンチアン・ビジネススクールのオーロビンド助教授は、新型ウイルス禍の発生では、原料の不足で一時的に特定品の値上がりが予想されるが、解雇の増加でそうした商品の需要が低下し、全体として需要減が価格押し下げ要因になるとの見解を示した。

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