シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOPGDPと非石油地場輸出の増加率予想を下方修正、景気後退の可能性も

経済

2020年2月18日

GDPと非石油地場輸出の増加率予想を下方修正、景気後退の可能性も

 シンガポール通産省は17日、昨年通年の経済統計(確定値)を発表した際、今年のGDP予想を11月に立てた0.5~2.5%増から、マイナス0.5~プラス1.5%に下方修正したと発表した。
 
 ガブリエル・リム次官は、通産省として現時点では0.5%の増加を予想しているが、新型コロナウイルスの感染拡大の規模、収束するまでの期間、感染拡大が与える影響が判断できず、事態は流動的と説明した。このため中央銀行に相当するシンガポール金融管理庁のロビンソン副総裁は、経済見通しに大きな変化があれば金融政策を調整すると表明した。
 
 昨年第4四半期の実質GDP増加率は前年同期比1%で、通年のGDPは0.7%の増加になった。米国発の金融危機があった2009年以来の低率だ。
 
 新型ウイルス禍の影響でシンガポールを訪れる外国人旅行者、特に中国からの旅行者が急減している。内需面では国民は買い物、外食を減らすと予想されるという。
 
 一方、輸出推進機関のエンタープライズ・シンガポール(ESG)は今年の非石油地場輸出(NODX=石油・再輸出を除いた輸出)予想を、最大2%増から、マイナス0.5~プラス1.5%に下方修正した。石油貿易も含めた総貿易予想も下方修正した。
 
 新型ウイルスの中国、域内における感染拡大で中国経済が当初予想を下回れば、域内経済への波及は必至だ。
 
 昨年第4四半期のシンガポールのNODXは5.7%の減少で、通年では9.2%の減少になった。上位10輸出国・地域のうち米国向け以外はすべて減少し、対日が29%減と最大の減少だった。

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