シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP今年の外国人入国者は30%減を予想、数百の会議が延期・取り止め

社会

2020年2月12日

今年の外国人入国者は30%減を予想、数百の会議が延期・取り止め

 今年の外国人入国者数は昨年を25~30%下回る見通しだ。MICE(会議・報奨旅行・展示会)セクターでは既に数百件の延期・キャンセルが出ている。
 
 11日の記者会見でシンガポール政府観光局(STB)のキース・タン最高責任者は「2003年の重症急性呼吸器症候群(サーズ)の時より深刻な状況が予想される。今年の外国人入国者は1日当たり1万8,000~2万人少ない」と述べた。今回の騒動が終結した後も、回復にはサーズの時より時間がかかる見通しだという。
 
 外国人入国者のうち最多は中国人で、例年であれば入国者の5人に1人は中国人旅行者だ。しかし中国当局による団体旅行の禁止で中国人旅行者が減少しており、中国人を当てにしている観光業者への影響が大きい。
 
 国内で新たに新型コロナウイルス「Covid-19」の感染が確認されたのは2人。1人はリゾート・ワールド・セントーサ(RWS)のカジノ従業員で、マレーシア・ジョホール州に住む。この従業員と接触のあった従業員は14日の休暇をとる。RWS職員の発症は2人目。別の1人はバングラデシュ人労働者。
 
 この結果、シンガポールで感染が確認された人は47人になった。クルーズ船での集団感染という特殊事情の日本を除き、中国以外では感染者数が最多。
 
保健当局は国境を接するマレーシアとの協力を強化し、国境をまたいだウイルス感染を予防する。ガン・キムヨン保健相とマレーシアのズルキフリ保健相が11日、テレビ会議を持ち、情報の速やかな共有など緊密な連携を維持することで致した。
 
 両国国境では多数の市民が相手国に仕事、買い物目的で入国しており、感染予防には監視の強化が必要だ。

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