2020年2月10日
新型ウイルスの感染拡大、警戒レベルをオレンジに引き上げ
シンガポール保健省は7日、武漢発の新型コロナウイルスの国内感染の拡大を受け、警戒レベルを黄色からオレンジに1段階上げた。公衆衛生に対し中程度~高度の影響があるが、制御可能な範囲にあるとの判断だ。発表会見でガン・キムヨン保健相は「速やかに感染者を突き止め、感染の一層の拡大を防ぐ」と述べた。
保健省は7日までに新たに3人の感染を確認した。また8日までにはタクシー運転士、自営ハイヤー業者を含む7人の感染を確認した。1人はパヤレバのライフ・チャーチ・アンド・ミッシュンズ・シンガポールを訪れており、同教会が感染源と疑われる患者は5人になった。これで感染者は計40人になった。
警戒レベルの引き上げで、多数が集まる大型イベントは取り止め、または延期しなければならない。企業には1日2回の職場での体温測定を義務付ける。学校同士の交流行事や屋外活動は3月の休みまで凍結する。病院では肺炎患者はほかの患者とは別の場所で診療を行い、新型ウイルスの拡散を防ぐ。
中国に最近渡航したことのある外国人労働者の再入国では、人材開発省の事前承認を義務付ける。承認を得るには雇用者は労働者が再入国した際、2週間の休みを過ごすための住居を確保しなければならない。
中国衛生当局は10日、新型ウイルスによる中国本土の死者が908人になったと発表した。2003年に大流行した重症急性呼吸器症候群(サーズ)の世界全体の死者数774人を超えた。感染者は4万人を超えた。