新型コロナウイルス新たに２人が感染、１人は感染経路わからず

　シンガポール保健省は６日、新型コロナウイルスの新たな感染者２人を発表した。うち１人（41歳の男性）は最近中国に旅行したことがなく、シンガポールで感染が確認された人との接触もなく、感染経路が不明だ。同省は、国内で新たな感染源が発生している可能性があるとして、一層の警戒を呼び掛けた。
 
　感染が確認されたもう１人は27歳の国民で、ウイルスの発生地である中国湖北省からの参加者とともに1月、グランドハイアットシンガポールでの会議に出席していた。会議に参加したほかの3人（韓国人2人とマレーシア人）も感染が確認されており、世界保健機関（WHO）の専門官が調査を開始した。ホテルはオーチャードに近いスコッツ・ロードにある。
 
　今回確認された2人の容体は安定している。しかし先に感染が確認された人のうち1人は重体で、もう1人は酸素吸入を受けている。
 
　感染対策では中国から帰国する労働者に14日間の休暇取得を義務付け、雇用者には事前に人材開発省に連絡するよう求めた。
 
　政府は休暇1日につき100Sドルの賃金補助を雇用者に行う。外国人労働者雇用税も14日間分、免除する。休暇規則違反には罰則を科す。
 
　ジョセフィーヌ・テオ人的資源相によると、春節休暇でシンガポールを出国した中国籍の就労査証所持者のうち3万人がまだ戻っていない。旅行規制、航空便取りやめが理由だ。
 
　中国では患者の数が3万人を超え、死亡した人は636人になった。