2020年1月6日
重債務者の数が減少、信用供与抑制が奏功
クレジットカードの債務が収入の12カ月分以上ある債務者の数は2015年10月の7万5,500人に対し19年10月は4万4,700人で、40%の減少だった。債務残高も計67億Sドル(約5,360億円)から42億Sドル(約3,360億円)に減少した。
重債務者は無担保金融を取り入れている市民の2%。シンガポール金融管理庁(MAS)は2019年6月、無担保金融の信用供与を賃金の12カ月分以下に抑制する措置を講じた。
借入金返済が30日以上滞っている借り手の割合も17年以降、低下傾向をたどっている。シンガポール国立大学ビジネススクールのスミト・アガルワル教授は「信用供与を抑制すれば消費も減少する」とコメントした。
クレジットカード利用の債務が世界的に増加したのは11年から14年にかけてで、特に韓国で顕著に増加した。シンガポールでも増加がみられた。信用供与が簡単に得られたことと低賃金が、債務増と滞納者の比率の拡大をもたらしたという。
しかし最近はクレジットカードを持たず、デビットカードや電子決済を好む傾向が若者の間でみられる。
OCBC銀行の調査では、ミレニアル世代は、人権、貧困、高齢者支援など社会問題への意識が高く、モノを所有するより体験を重視する傾向がある。