シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXニュースTOP11月の非石油地場輸出は減少、しかし輸出に回復の兆し

経済

2019年12月18日

11月の非石油地場輸出は減少、しかし輸出に回復の兆し

 貿易推進機関のエンタープライズ・シンガポール(ESG)が17日発表した11月の非石油地場輸出(NODX=石油・再輸出を除く輸出)は141億Sドル(約1兆1,377億円)で、前年同月比5.9%の減少だった。減少は10カ月連続。しかし減少幅は10月の12.5%を下回っており、縮小傾向にある。NODXは前月比では5.8%増加しており、一部のアナリストは、最悪期は脱したとの観測を示した。
 
 NODXのうち、電子機器輸出は前年同月比23.3%の減少だった。集積回路、パソコン、ディスクドライブの減少が顕著だった。
 
 底は打ったとみるエコノミストは多く、メイバンク・キム・エン証券のエコノミストは、米中が貿易交渉で合意すれば設備投資の増加が期待でき、電子機器輸出も来年初頭には増加に転じる可能性が高いとみている。
 
 電子機器以外の輸出は1.3%の増加に転じた。非貨幣用金、特殊機械、エンジン・モーター輸出が増加した。
 
 輸出市場上位10カ国・地域のうち、米国、タイ、インドネシア向けは増加したが、それ以外は減少した。対香港が28%減、対中が7%減だった。
 
 OCBC銀行のエコノミストによると、名目ベースで11月のNODXは前月から安定しており、先行き希望を持たせる展開だという。
 
 大華銀行(UOB)のエコノミストも、9月、10月の工業生産指数がプラスで、購買担当者指数(PMI)も改善しており、シンガポール経済の基礎的条件は来年改善する、との予想を示した。

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