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社会

2019年2月25日

北部ニー・スーン・イーストで放「蚊」、不妊を実験

 
 シンガポール環境庁(NEA)は22日、北部ニー・スーン・イーストの公営住宅地で、去勢処置を施した雄の蚊数千体を屋外に放った。デング熱、ジカ熱の流行抑制が目的の屋外実験だ。

 
 昆虫の体内に生息し、宿主の生殖システムを操作する共生細菌、ボルバキアを利用し去勢した雄のネッタイシマカを利用したプロジェクトの第3期。デング熱、ジカ熱ウイルスを媒介するネッタイシマカの個体数を抑制する。

 
 ボルバキア蚊は人を刺さない。NEAは1月、ニー・スーン・イーストとタンピネス・ウエストで蚊の繁殖抑制実験を行い、ネッタイシマカの個体数をそれぞれ、従来の20%、50%に抑制する成果があった。不稔性のためボルバキアの蚊とヤブカとの間のできた卵はふ化せず、この結果、幼虫発生が抑制される。

 
 ただボルバキア技術は研究段階で、「万全の対策ではない(コー環境担当上級閣外相)」ため、蚊の繁殖場所を作らないというこれまでの対策を補うものに位置付けている。22日は住民1人当たり3匹のボルバキア蚊を放った。週2回のペースで放つ。

 
 最初の屋外実験は2016年、ブラッデル・ハイツ、ニー・スーン・イースト、タンピネス・ウエストで行い、ボルバキア蚊の飛行範囲、雌とつがいになれる力を調べ、個体数の50%抑制に成功した。

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