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シンガポール不動産ワンストップ

2020年11月12日

コロナ禍のマーケット状況と再開発の建て直し

オフィスマーケット相場に関して

 Q1. 近々オフィスの更新をむかえます。ニュースや不動産業者のレポートなどで現在はマーケットが下がって来ているという情報を得ていたのでオーナー側へ伝えたのですが、逆にオーナー側からは、「マーケットは決して下がってはいない」というような旨の資料を提示されました。正直何が正しいのかわからず、実際のところはどうなのでしょうか?
 
 A1. この様な意見の違いは、それぞれが話している根拠となる賃料、もしくはエリアの特性を加味しているかによって生じている可能性が考えられるかと思います。一般的に大手の不動産仲介業者等が話している賃料は「グロス賃料」という、レントフリー期間等を加味した賃料であり、デベロッパーが話している賃料は政府などが公表している契約賃料をベースとした賃料の可能性があるかと思います。現在のような急激にマーケットが下がる要因がある場合、多くのオーナーは契約賃料を下げず、代わりにレントフリーの期間を付与したりする事も多く、その場合はグロス賃料は下がりますが、契約賃料は同じ、という状況になります。そのため、根拠となる賃料の考え方でも意見が異なってくる可能性があります。
 
 また近年は古いビルの再開発が多く計画されており、強制退去に伴い、局所的に需要が増えている地域もあります。そのような地域性も考慮すると全体の下落に比べ、それほど落ち込んでいない地域もあります。
 

 

建て直しについて

 Q2. 最近は建物の建て直しなどの話を良く聞きます。昨年現在の建物に入居したばかりなのですが、もし現在入居しているオフィスが急に建て直しとなった場合はどのようになりますか?
 
 A2. 通常ご契約書の中に再開発に関する条文が記載されており、再開発の際には「●ヶ月前までの貸主からの事前の通知により退去しなければならない」等の記載があるかと思います。そのため、計画が確定した際には、記載内容に基づき退去が必要となります。また契約書内には、「貸主は如何なる責任も負わない」と明記されていることが一般的であるため、何らかの特別な事由がない限り、補償等を求めることも困難となります。
 
 古いビルや、最近規制が変わり高い建物が建てられるようになった地域のビルへご入居を検討される、もしくは更新を考えていらっしゃる方は、可能であれば借主側からの退去条件を契約条件として交渉してみるのも良いかも知れません。またそれが難しい場合でも、将来的な移転の可能性を考慮し、内装済みの物件を検討するなどで初期費用を圧縮することをお勧めします。
 

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スターツコーポレーション(株)は1969年に創業、2011年よりシンガポール現地法人であるStarts Singapore Pte Ltdを設立し営業を開始致しました。現在では世界22カ国37都市にて業務を行い、シンガポール国内においても年間160社以上(2019年度実績ベース)の企業様に対して不動産サービスを提供しております。

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