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健康相談Q&A

2020年7月13日

Hib(ヒブ)ワクチンとは?副作用はある?

Hibワクチンとは

 Hib(ヒブ)ワクチンは乳幼児に肺炎、中耳炎や髄膜炎を引き起こす細菌であるb型インフルエンザ菌を予防するワクチンです。
 
 インフルエンザ菌はaからfまで6つの型がありますが髄膜炎などの重症感染症を起こすのはb型です。日本では近年b型インフルエンザ菌による髄膜炎が増えており、小児細菌性髄膜炎の原因の第1位で全体の半分を占めます(第2位は肺炎球菌)。b型インフルエンザ菌による髄膜炎は1歳台に半数以上が発症し、髄膜炎の症状が急激に進行するため、入院治療を行っても死亡したり、難聴や麻痺などの後遺症を残すことが多いです。また近年、b型インフルエンザ菌が抗生物質に耐性を持ってきており、治療がさらに困難になっています。
 
 この菌に対するワクチンをb型インフルエンザ菌の正式名Haemophilus influenzae bの頭文字を取ってHib(ヒブ)ワクチンと呼びます。1988年にHibワクチンが開発されて以来、欧米では乳幼児のb型インフルエンザ菌全身感染症は98%も減少しました。
 
 1997年WHOがHibワクチンの乳児への定期接種を勧告して、現在では100ヵ国以上で導入されています。日本でもHibワクチンの任意接種が2008年末から開始されました。
 

Hibワクチンを受けるには?

 シンガポールでは生後6週~5歳の小児が接種の対象になります。
 
 1.生後6ヵ月未満に接種開始:1ヵ月毎に3回接種した後、1年後に1回追加接種
 2.6ヵ月~1歳未満に接種開始:1ヵ月毎に2回接種した後、1年後に1回追加接種
 3.1歳以上で接種開始:1回接種のみ
 
 シンガポールではHibワクチンを3種混合(ジフテリア、破傷風、百日咳)とポリオ(不活化ワクチン)に混合した5種混合ワクチンがよく用いられますが、日本にはまだありません。また、5種混合ワクチンにB型肝炎ワクチンを混合した6種混合ワクチンもあります。
 

副作用は?

 ワクチン接種児の1/4程度に、接種部位の痛み・腫れ・発赤がありますが24時間以内に治まり全身の副作用は少ないとされています。他の不活化ワクチンと副作用の頻度は同じ程度です。
 

他にも髄膜炎を予防するワクチンはある?

 肺炎球菌も乳幼児に肺炎や髄膜炎を起こす細菌で、最近は抗生物質が効きにくくなっています。肺炎球菌ワクチン(商品名:PREVENAR)は、米国で小児の肺炎球菌による全身感染症の9割を占める7種類の肺炎球菌に対するワクチンです。米国小児科学会では生後2ヵ月以降の新生児および2歳未満の小児への接種を勧めており、欧米でこの肺炎球菌ワクチンが導入されて以来、乳幼児の肺炎球菌による全身感染症は大幅に減少しました。
 
 日本には成人対象の肺炎球菌ワクチンはありますが、この乳幼児対象の肺炎球菌ワクチンはまだありません。
 
 1.生後6ヵ月までに接種開始:2ヵ月毎に3回接種し、1歳以降に1回追加接種
 2.7ヵ月~1歳未満に接種開始:4週間以上あけて2回接種し、1歳以降に1回追加接種
 3.1歳~2歳未満に接種開始:2カ月以上あけて2回接種
 4.2歳以降で接種開始:1回接種のみ
 
 日本メディカルケアーでも予約制で接種できますのでお問い合わせください。

本記事は一般的情報の提供のみを目的として作成されており、個別ケースについて、正式な助言なく、本情報のみに依存された場合は責任を負いかねます。

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