2020年7月10日
ぎっくり腰(急性腰痛症)の予防と対処方法
「ぎっくり腰」は何かのきっかけで急に起こる腰痛の一般名で、専門的には「急性腰痛症」と呼ばれ、筋膜性腰痛症や腰椎椎間板ヘルニアなどにより起こります。一度「ぎっくり腰」になると繰り返すことも多いので、まずは予防することが大切です。
ぎっくり腰の予防法
日常生活では以下の事に注意しましょう。
筋肉を鍛える
普段より全身の筋肉を無理なく鍛えておきましょう。全身の筋肉をバランスよく使いこなせれば、腰にかかる負担を分散させることができ、「ぎっくり腰」になりにくくなります。オススメはプールでの水中歩行です。浮力により、椎間板や膝などの負担を軽くし無理なく筋肉を鍛えることができます。水中歩行する場合はおへそから胸元ぐらいの深さのところで、背中をあまり反らさずに普段の歩幅で歩くのがよいでしょう。後ろ向きに歩いたりするのも腰に過度の負担がかからず効果的です。水泳も得意な方にはよいのですが、フォームが悪いと腰への負担が大きくなるので注意してください。
正しい姿勢を身につける
頭のてっぺんを真上に引っ張り上げられるような感覚で背筋を伸ばしましょう。姿勢を良くしようとするあまり、背中が反ってしまうと逆効果です。鏡などを利用してチェックしましょう。
また、たとえ良い姿勢でも、同じ姿勢を長時間続けるのはよくありません。椅子に長時間座る場合は、時々膝の屈伸運動をすることをお勧めします。血行もよくなり効果的です。
急な動きや無理な姿勢を避ける
急な動作や無理な姿勢(特に中腰)での動作は避けましょう。特に背中を反らせて重い物を持ち上げるのは厳禁。重い物を持ち上げる時は、物に体を密着させて膝の屈伸などを利用し、腰だけに負担がかからないようにしましょう。
体を冷やさない
特に冷房のよく効いた室内では寒さ対策を。
ストレスや疲れを溜めない
ストレスや疲労もぎっくり腰の原因になります。疲れがたまっていても、自分では気づかないこともあります。特に睡眠不足には注意しましょう。
ぎっくり腰の対処法
医療機関で適切な処置を受けるのがよいのですが、痛みが強くて身動きがとれない時は、次の初期治療を行ってください。
1.安静:一番楽な姿勢を探してください。早く回復するためには、できれば2日以内長くても4日以内の安静がよいでしょう。
2.冷却(アイシング):最初の2、3日はビニール袋などに氷水を入れて患部を20分前後冷やすとよいでしょう。
3.固定:さらしなどを巻くのが有効です。テーピングができればそれも良いでしょう。
「急性腰痛症」(「ぎっくり腰」)と診断されれば、消炎鎮痛薬による治療やカイロプラクティックなどが有効です。カイロプラクティックは手のみで行う医療で、背骨や各関節を調整・矯正することにより体の不調を整えて、本来あるべき治癒力を高めるのが特徴です。正しい医学知識を持ったカイロプラクターによる腰痛治療は即効性も期待でき、症状がない時でも定期的にメンテナンスすることで再発予防にも効果があります。
余談ですが、カイロプラクティックはアメリカを中心に多くの国で医療として認められ、カイロプラクターになるには医師と同様に深い医学知識を問われる国家試験に合格する必要があります。一方、日本では、カイロプラクティックは法制化されておらず、医療類似行為という扱いを受けています。なお、しびれなどの症状が伴う場合は、MRIなどの精密検査にて原因をはっきりさせることをお勧めします。
取材協力=日本メディカルケアー 医師・白石 勉
本記事は一般的情報の提供のみを目的として作成されており、個別ケースについて、正式な助言なく、本情報のみに依存された場合は責任を負いかねます。