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シンガポール不動産「耳寄り情報」

2020年2月12日

シンガポール不動産 2020年は圧倒的な『貸し手市場』

3月・4月は異動のピークシーズン

 在シンガポール邦人約3万6,000人のうち、春の異動で5,000人前後が入れ替わるとみられています。住宅戸数では2,000戸近くにもなります。住宅の再開発ブームで多くの住宅が取り壊されているのと、売買市況好転で賃貸から売買に回されてしまう住宅も多いため、今年は絶対的な賃貸物件数が不足しています。特に人気物件については圧倒的な貸し手市場となっています。
 

着任時の住まい探し

就労ビザが取得できなくても、賃貸契約は無罰解約できない

 シンガポール人の雇用機会確保のために就労ビザの審査がここ10年ほど厳しくなっており、ビザの取得が遅れたり、最悪、取得できない場合もありますが、住宅の賃貸借
契約はそれを理由に無罰解除はできません。また、就労ビザが発行されていないと、電気・水道・ガスも開通できません。ビザの申請は、余裕をもってお早めに。
 

スクールバスの空席状況にもご注意を

 当地では、大半のお子さんがスクールバス通学となりますが、バスルートによっては空席が無く、空き待ちになってしまう場合も。賃貸契約締結前に必ず確認しましょう。なお、お子さんの扶養家族ビザ(DP)申請の際には、日本での予防接種履歴の証明書提出が義務付けられ、これが無いと幼稚園も学校も入学できませんのでご注意ください。
 

インターネット申し込みに時間がかかる

 配線工事も含め3週間以上かかる場合も多いようです。当地ではケーブルテレビは昨年9月末に廃止されており、NHKの国際放送等、外国のテレビ番組はすべてインターネット経由となります。アナログTVも昨年廃止され、ローカル番組のみ試聴の場合も地デジ対応のテレビが無いと受信できません。

 

契約“更新”交渉は、お早めに

 3月~4月頃に契約満期を迎える借り手の方は要注意。家主が新規の借り手を得やすいタイミングなので、競り負けて追い出されることがないよう、早めの更新交渉が安全です。新規の借り手は即入居希望が多いので、先んじて更新できれば競合回避できます。

 

退去・明け渡し時の注意事項

3月・4月は引越し業者の予約も集中

 この時期、直前予約は取れない場合が多く、早めの予約が安全です。また、住宅のエレベーター使用の予約が取れないと引越し作業ができません。土曜日午後や日曜祝日は引越し作業を禁止しているコンドミニアムが大半です。
 

退去・明け渡し検査の揉め事、増える

 借り手義務の修理・交換等は退去前に完了する必要があります。清掃も日常行う程度では不十分なので(特にキッチン、ヤード、バスルーム)、専門業者に頼んだ方が結局はお得です。
 

「内見非協力」が、最も高額のクレームになる

 契約上2ヵ月前から家主に認められている「後釜テナントを探すための内見」を断り続けると、権利侵害で1~2ヵ月分の家賃相当額を請求されることがあるため、特に注意・配慮が必要です。

文=木村登志郎 (パシフィック不動産株式会社CEO、シンガポール宅建士)

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