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シンガポール不動産「耳寄り情報」

2020年1月11日

2020年のシンガポール不動産賃貸市況(2)

シンガポールの在留邦人数減少せず

 シンガポールの民間住宅家賃相場と外国人就業者数、特に管理職・高度技術職のためのエンプロイメント・パス(EP)の総数と住宅家賃相場に相関関係があることは、前々回にても記述の通りです。
 
 2011年以降、シンガポールでは外国人人口増の抑制が政治課題となっています。2019年6月時点でのEP保有者数は18万人台後半で、これが実質的な上限とみられます。また先日、2018年10月1日時点の在留邦人登録者数が日本の外務省から発表されましたが、シンガポールの在留邦人総数は3万6,423人(長期滞在者3万3,834人、永住者2,589人)で、2017年10月比0.6%の増加となっています。業界筋情報では、米国人総数はかなり減少して約2万人と言われていますが、日本人は、大企業が概して駐在員数を削減している半面、ベンチャー企業を含めた新規進出企業も少なくなく、トータルでほぼ横ばいになっているようです。豪州人も、2万2,000人で、米国人数を超えています。
 

 

国・地域別在留邦人数

 統計が取られた2018年10月の時点で米中貿易戦争の影響が出始めていましたが、ベトナムの在留邦人数急増が著しかったことが分かります。また、米国在留邦人も前年比で2万人増加。さらに、台湾在留邦人も前年比15.3%増と2桁増になっているのも目を引きます。
 

住宅賃貸相場は、2020年を通して上昇続く

 外国人人口、特にEP保有者数が減らないにもかかわらず、再開発・取り壊しによって賃貸向け住宅戸数が減少すれば、実需相場である賃貸料は2020年を通じて上げ続けるものと予想されます。

文=木村登志郎 (パシフィック不動産株式会社CEO、シンガポール宅建士)

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