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中国茶&中薬でセルフメンテナンス

2009年6月1日

糖尿病

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生活習慣病のひとつである糖尿病は、以前は贅沢病と言われ、一部の人の病気と考えられていました。しかし、現在では不調を訴えて病院で検査をしたり、健康診断を受けた結果、糖尿病を知らされショックを受ける、というケースが増えています。糖尿病に気付かないでいると、症状が進行して身体の各所に障害が現れてきます。また、怪我をした時に治りが遅かったり、使用できる薬、治療等に制限が出たりと、他の病気が発生した時の治癒能力の妨げにもなります。では、どんな不調、症状がでたら注意しなければならないのでしょうか?
初期:多尿、頻尿、渇き、食欲増進(食べてもすぐお腹が空く)、倦怠感、
左肩骨部分の違和感
進行期:全身皮膚の痒み、視力低下、手足の痺れ、倦怠感が増す、
意欲の薄れ
重症期:四肢末端からの壊疽、血管障害、腎臓障害
糖尿病の進行を防ぐには、初期の段階で今までの生活の仕方や自己の物事に対する考え方、飲食物の摂取量やとる時間等を見直し、自分にあった生活習慣を構築・実行しましょう。これは、難しい事ではありません。自分の生活習慣が病気を作っているのですから、自分にできる事から行なっていけばいいのです。
中医学では“糖尿病”をどのようにとらえているのでしょうか?中医学では、病気を名前でとらえるのではなく、身心に現れている個々の症状を把握し原因を見つけて治療します。私達中医師は、糖尿病を“消渇”と呼びます。その症状は“三多一少”と呼ばれ、多飲(渇き)、多食、多尿、消痩(痩せすぎ)です。多飲は肺部で上消、多食で痩せるは胃部で中消、多尿は腎臓部で下消と三種に分類します。上述の様な症状が出たからといって、直ぐに“糖尿病”とはいえませんが、放っておくと将来“ 糖尿病”となっていく恐れがある、という事になります。症状に気付いたら、個々の症状を解除していくようにしましょう。中国茶以外のお茶も含め、以下のようなお茶で予防、治療に役立て下さい。
《中国茶》 ウーロン茶、羅漢果茶、紅茶
《日本茶》 三年番茶、七年番茶、緑茶、麦茶
《健康茶》 黒豆茶、蕎麦茶、昆布茶(甲状腺に異常がある方は避けて下さい)
慎むか避けて欲しい飲食品
・アルコール、煙草
・揚げ物、油っこい物、濃い味、辛過ぎる物
・糖分(甘酒は大丈夫です)
・インスタント、レトルト、清涼飲料など
以上はあくまでも目安です。個々の症状に合わせて専門家にお尋ねください。

文=島田久仁子(Kuniko TCM & Healthcare 中医師)

1991年来星。針灸師の教育を受け、診療所に勤務。「天気ヘルス」を設立し、太極拳、気功、骨格運動、家庭の中医学等、自己の治癒力を高める指導を始める。当地の厚生省による中医師及び針灸師国家試験制度の実施にあたり、新加波中医学院にて6年修業。国家試験を経て中医師及び針灸師として認定登録。新加波中医師公会会員。恩師曹光裕博士に師事。中華医院所属。現在「天気ヘルス」を「Kuniko TCM & Healthcare」と改め、上記の指導に加え健康相談及び治療を行っている。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.146(2009年06月01日発行)」に掲載されたものです。

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