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中国茶&中薬でセルフメンテナンス

2009年8月3日

胃腸の調子を整えるお茶

スクリーンショット 2015-07-01 23.59.27多くの方が、下痢や便秘で苦しんだ経験をお持ちのことと思います。臨床に携わっていると、案外下痢、便秘というものの概念が理解されていない事に気付きます。一般的に言いますと、水様性(水の様な便)、軟便(泥状)、を下痢と称します。一日に7回以上この様な便が出ると脱水症状を起こしやすく、危険なので注意が必要です。ただ、激しい腹痛、発熱、嘔吐を供なわなければ、2~3日で回復します。

 

原因としては、

  1. 飲食の不摂生
  2. ストレスや緊張による過敏性腸症候群
  3. 腸炎
  4. 先天的な小腸の塩分吸収障害

等があります。

暑いシンガポールでは、汗をかくので水分補給が大事とばかりに、冷たい飲食の摂取過剰、水分摂取過剰に落ちいりがちです。余分な身体の水分は、汗や尿で排泄しきれないと下痢となって排泄を行なう事になります。また、他の人以上に汗をかきやすい、寝汗、身体の一部に汗をかきやすいというのは、中医学では、皮膚の防御作用が弱っている、気(生理機能を動かす物質)が滞っている、または陰液(体液)の不足と考えます。ただ水分をとっていても助けにはならず、また汗をかき、下痢になっていきます。汗につきましては、別の機会に詳しく説明したいと思います。

便秘は、毎日排便がない事、便の量が少ない、排便後すっきりしない不快感、便が硬い等の症状のことです。一般に、3日排便がないと便秘とみなします。中医学では、排便は毎日ある事が望ましく、排便があるまで食事をしないほうがいいとされています。特に朝は排泄機能が活発に活動していますので、充分に排泄してから食事をしたほうが、身体のためにもいいのです。

下痢、便秘、どちらにしても消化機能と密接に関係していますので、治療の第一は、断食をする、刺激の少ない食事をする事です。おすすめは朝断食。朝は基本の生姜湯、生姜紅茶など飲みものだけにます。野菜や果物のジュースは常温で飲んで下さい。お昼と夜の食事はしっかりいただきましょう。楽しくいただくのが、なによりのご馳走であり、栄養です。

 

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お茶は温かくして飲んでください。

文=島田久仁子(Kuniko TCM & Healthcare 中医師)

1991年来星。針灸師の教育を受け、診療所に勤務。「天気ヘルス」を設立し、太極拳、気功、骨格運動、家庭の中医学等、自己の治癒力を高める指導を始める。当地の厚生省による中医師及び針灸師国家試験制度の実施にあたり、新加波中医学院にて6年修業。国家試験を経て中医師及び針灸師として認定登録。新加波中医師公会会員。恩師曹光裕博士に師事。中華医院所属。現在「天気ヘルス」を「Kuniko TCM & Healthcare」と改め、上記の指導に加え健康相談及び治療を行っている。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.150(2009年08月03日発行)」に掲載されたものです。

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